【レビュー】夫婦なのに初々しさがたまらなく愛おしい! 幼い皇后と龍帝の中華ラブロマンス

雨の巫女は龍王の初恋に舞う

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は6月13日に刊行された『雨の巫女は龍王の初恋に舞う』です。みなさんの感想も聞かせてください!


「恋をすると人は変わる」って、よく言いますよね。たとえば、無頓着な男性が服装に気を配るようになったり、女性が化粧や香水を変えたり。あるいは、時間にルーズな人が約束を守るようになったり、相手に合わせて新しい趣味をはじめたり──。かたくなな心がやわらいで、傷ついた心が癒やされて、ひとりぼっちの世界に光が差し込んでくる。恋とは、なんて不思議なものだろうかと思います

 龍宗が璃鈴に抱いた初恋も、まさにそのようなものだったのでしょう。まわりから畏れられていた龍宗が、璃鈴と出会うことで少しずつ心がほどけていく姿が癒やされるんですよ。

 璃鈴が、自分を受け入れてくれるまで、短気で有名な龍宗が、じっと待ち続けるんです。これが惚れた弱みでなくてなんというのか。色恋ごとには不慣れだからこそ、少しずつ距離を縮めていく新婚生活がものすごく甘酸っぱくて、むしろじれったすぎて背中を押したくなってくるんです。

 「どうして自分が選ばれたのか?」と、璃鈴は実感がわかないながらも、それでも龍宗のためにお化粧してみたり、肌を見られて恥ずかしくなったりと、男女として相手を意識していく新妻ぶりがとっても可愛らしいんです。

 龍宗も女心がわからず、うっかり璃鈴を傷つけてしまう。でも、そんな夫にも健気にも尽くそうとする璃鈴がいい子すぎる! 普段から意地を張っている不器用な男ほど、こういう純真無垢な女の子に弱いものですよね。ピュアすぎる幼妻に実はベタ惚れな夫の組み合わせに身悶えしてしまいます。

 夫婦なのに、毎回初恋みたいに照れたり戸惑ったりする。その初々しさがたまらなく愛おしくて、ずっと見守っていたくなるんですよ。なぜ恋をすると人は変わるのか。それは龍宗と璃鈴のように、誰かのために、いままでの自分を変えたいと思うからではないでしょうか。

文:愛咲優詩

ざっくり言うとこんな作品

・幼い皇后と龍帝の恋が、無垢だけど色気もあってたまらない!

・宮廷で巻き起こる陰謀、仲間の裏切りなどハラハラ満載!

・皇后と侍女の、複雑だけれど熱い友情譚も目が離せない!

主要キャラ紹介

璃鈴

璃鈴(りりん)
神族の村出身。雨の巫女。16歳の誕生日、新皇帝・龍宗から皇后に指名され……?

秦龍宗

秦龍宗(しん・りゅうそう)
輝加国の若き新皇帝。龍の血を継ぐと言われている。

秋華(しゅうか)
神族の村出身。侍女として璃鈴についてきた『次の巫女』。

来飛燕(らい・ひえん)
龍宗の側近。龍宗以外で後宮に入ることを許されている唯一の男性。

作品情報
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    雨の巫女は龍王の初恋に舞う

    著者: 和泉利依   イラスト: 風或KiTY

    幼き皇后は、龍帝の愛で花開く――。龍の末裔と巫女の中華ラブロマンス!

    龍の末裔である輝加国の新皇帝・龍宗から皇后に指名された巫女・璃鈴(りりん)。
    けれど「この結婚は義務だ」と冷たく告げられてしまう。
    それなのに、熱い瞳で私を案じてくれるのはなぜ――?

    「俺は、一つだけお前に嘘をついた」

    これは本当に、適当に選んだだけの愛のない結婚なのか?
    龍宗がついた嘘とは?

    陰謀すらも恋を加速させる、中華後宮ロマンス!

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