【レビュー】痛快な“ざまあ”展開はなんとも爽快! 見どころいっぱいの和風シンデレラロマンス

神気を纏う乙女は、助けた鬼の寵愛を受ける

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は5月15日に刊行される「ときめきの中華・和風恋愛小説コンテスト」優秀賞作品『神気を纏う乙女は、助けた鬼の寵愛を受ける』です。みなさんの感想も聞かせてください!


和風ファンタジーの中でも個人的に強い愛着を抱いているのが、鬼をモチーフにした物語です。恐ろしい角や牙をもつ異形の存在と人間との種族を超えた恋に、ときめきとロマンを感じます。

本作に登場する鬼は、退魔師の名家・蓮水家の地下牢に幽閉されており、薄気味の悪い青紫色の肌と紅蓮の瞳をした危険な存在です。高い給金につられたなずなは、騙されて鬼の餌にされかけますが、人を襲う鬼は彼女の血を飲むとなぜか鎮まり、容貌までも美しく様変わりして――。なずなの血を飲むことで少しずつ自我を取り戻していく鬼は、たどたどしい言葉でコミュニケーションを取り始め、屋敷で嫌がらせを受けているなずなを気遣います。恐ろしげな鬼がなずなだけには懐く様子がなんともかわいらしく、二人が地下牢で少しずつ距離を縮めていく様は、あたたかい気持ちを呼び起こします。何よりも心を奪われたのが、なずなが鬼に血を分け与えるシーンです。独特のなまめかしさが漂う二人の官能的なふれあいに、ドキドキとさせられました。

『神気を纏う乙女は、助けた鬼の寵愛を受ける』より

わがままな妹のひよりは、なずなに数々の嫌がらせを行います。ですがなずなだけを溺愛する鬼は、彼女を歯牙にもかけません。異母姉を陥れようとするひよりの悪だくみの数々と、彼女の策略に負けずに鬼を救おうとするなずなの攻防、そして最後に訪れる痛快な“ざまあ”展開はなんとも爽快です。一途な愛情をみせる鬼と芯の強いなずなはもちろんですが、なかなかに食えない性格をした蓮水家次期当主候補・左京のキャラクターにも惹きつけられました。見どころいっぱいの和風シンデレラロマンスです!

文:嵯峨景子

ざっくり言うとこんな作品

・家族に酷い扱いをうけていてもへこたれず、自分の人生を立て直そうとする芯の強い主人公を応援したくなる!

・得体のしれない地下牢の鬼がどんどん美青年化していき…? 誰にも懐かないはずの鬼が懐いてくる様子がきゅんかわいい!

・ずっと頑張っていた主人公が力を目覚めさせ、さらに名家の当主候補の花嫁に! 読み応えありな和風シンデレラロマンス!

主要キャラ紹介

香坂なずな

香坂(こうさか)なずな
頑張り屋さんな村娘。家族に召使のように扱われる日々にうんざりし、家を出て帝都に行くことに。そこである美しい鬼と出会う。

鬼(???)

鬼(???)
蓮水家の地下牢に閉じ込められていた鬼。なずなと出会い少しずつ自我を取り戻していく。

香坂ひより

香坂(こうさか)ひより
なずなの異母妹。わがままで自分の思い通りにならないと気が済まない性格。麒麟の加護の噂を聞きつけた蓮水家から縁談の話が舞い込むが……?

蓮水左京

蓮水左京(はすみ・さきょう)
退魔師の名家、蓮水家の次期当主として期待されている。ひよりを花嫁候補として蓮水家へ迎え入れる。

作品情報
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    神気を纏う乙女は、助けた鬼の寵愛を受ける

    著者: 桜月 ことは   イラスト: ゆた

    「僕の花嫁に、なってほしい」虐げられた娘を救ったのは美しい鬼でした

    両親を亡くし継母と異母妹に召使いのように扱われていたなずな。
    酷い縁談に耐えられず家を出ると、帝都で騙されて幽閉された恐ろしい人食い鬼の生贄にされてしまう! 
    なずなは死を覚悟して身を捧げると……鬼に気に入られ、毎夜彼の元に通うことになり――? 
    「君を誰にも渡したくない」美しい鬼に見初められた孤独な娘の和風シンデレラロマンス!

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