【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから4月25日に刊行される『荒廃したゾンビ世界を50日間生き残る~迎撃編~ ヘガデルのブラックな会社1』です。みなさんの感想も聞かせてください!
正直「あーまたゾンビものねハイハイ」とあなどってました! すみませんすみません!
ゾンビものって、たびたび復活するんですよね。忘れたころにガバッと。ゾンビだけに。『これゾン』とか『あるゾン』とか、ライトノベルだとだいたいゾンビヒーローなんで、今回もそうかなと思っていました。
それが荒廃したゾンビ世界って、真っ当な(?)ゾンビものじゃないですか!? ゾンビ映画の王道といえば王道だけど、ライトノベルだと「え、世界観的にどうなるの?」と逆に気になるというか。しかし、読んでみるとクラフト系ゲームの世界が舞台で、この手があったのかと感心しました。自由度が高くてサバイバルに向いている、クラフト世界ってゾンビにぴったりじゃん!

案の定、廃ビルを根城にクラフトして食料を自給するわ、グライダーで空飛ぶわ、ゾンビと戦ってゾンビ肉食べるわ、勝手気ままなサバイバル。クラフト系ゲームならではの楽しさだわ、これは。原案は実況動画ということで後追いでそちらも観てみましたが、雰囲気出過ぎでしょ!? とびっくりです。
でも動画と違っているところもあります。物語になっているので、実況者であるHegadelさん以外の方々の存在感が大きい。一人ひとりがキャラクターとして掘り下げてあるので物語性が倍増、いやいや6人だから6倍か!?
そしてゾンビが徐々に強くなっていく展開に、ゆるいクラフト生活ながら緊張感もあり! そしてそしてストーリーが進むとゾンビヒーロー要素もありそうで、ライトノベルの十八番まで盛り込んであるとは!! あなどれない! これはまったくあなどれないよ!!

文:勝木弘喜
ざっくり言うとこんな作品
1)ゆっくり実況者Hegadelの大人気動画が前代未聞の小説化! 舞台はゾンビ溢れるクラフトゲーム「ワールドクラフト」の世界。
2)個性豊かで適材適所の六人の仲間たちが繰り広げる、楽しい掛け合いとクラフトで作り上げるハチャメチャなサバイバル生活!
3)徐々に強くなるゾンビたちを相手に50日間生き残れは一つだけ願いが叶えられる。いつ誰が死ぬかもわからない緊迫の展開!
主要キャラ紹介
▼Hegadel(ヘガデル)
自称ゲーム仲間のリーダーだが他のメンバーに認めてられているかは微妙で、便利使いされているときも。夢はブラック企業HBC(ヘガデルブラックカンパニー)の経営!?

▼ぽんたこ
「ムーブメントゴッド」といわれるほどキャラコンに優れ、ゾンビを必要以上に積極的に狩っていくバトルマニア。ポーションやボルダリングで身体作りに余念がない。

▼マリー
「ワルクラ」に登場するチュートリアル妖精。解説を入れたりとお役立ちキャラだが、どうやっても死なないため雑な扱いをされることもしばしば。なぜか筋肉フェチ。

▼ホルン
麦わら帽子に人の好さそうな笑みを浮かべる根っからの農家。農業人らしくたくましい肉体を持つが、ビビリの非戦闘要員。野菜、穀物の栽培から畜産、加工までこなす。

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荒廃したゾンビ世界を50日間生き残る~迎撃編~ ヘガデルのブラックな会社 1
著者: 壱日千次 イラスト: へいろー 原作: Hegadel
荒廃したクラフト世界、日に日に強くなるゾンビ、仲間達とサバイバル生活!
突如ゾンビだらけのクラフト系ゲーム「ワルクラ」の中で目を覚ました男ヘガデル。訳もわからぬまま同じ状況に巻き込まれた5人のゲーム仲間と共に、謎のガイド妖精マリーからこの世界で50日間生き残ることを命じられてしまう。
そんな彼の仲間は、戦闘狂・ぽんたこ、参謀・いるる、農業人・ホルン、鉄のカリスマ・せれすと、自由人・そらかぜ……と適材適所かつ個性豊かなメンバーばかり!
「みんな……生き残るために社員としてこき使ってやるからな!」
はたしてヘガデルと仲間たちは、日が経つごとに強くなるゾンビたちを相手に、過酷な環境を生き抜くことができるのか――!