【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は4月15日に刊行される『青龍の瞳の花嫁』です。みなさんの感想も聞かせてください!
蒼天と瑠璃、どちらの味方をしたらいいのか、最初はちょっと迷うかも。突然皇族にさせられた蒼天は、権力闘争に巻き込まれるかもと怯えていたところに、皇帝の娘が正妻にしろと押しかけてきた。いくら美少女だからって遠慮したくなるのも当然だ。
瑠璃にも深い事情があって、夢で視た暗愚な皇帝が国を滅ぼす未来を絶対に避けるには、蒼天と結婚して皇帝にするのが一番良い。だから、蒼天が瑠璃を追い返そうとして屋敷の管理能力を試そうとしても完璧にこなして黙らせる。三姉妹の側室がいると言い出したら、その三姉妹を鞭で脅して側室に相応しい作法を身に付けさせようとする。

瑠璃を追い返そうとする蒼天の企みが次々にぶち壊されていく様子はなかなか痛快だけど、蒼天がそこまでして自分を守ろうとしたことは理解してあげたい。ただ、瑠璃が決してワガママなだけのお姫さまではなく、国のため国民のために動いていると分かって来て、心を開いていく蒼天と同様に自分たち読者も瑠璃のことが好きになっていく。そんな展開を楽しめるストーリーだ。
そこまでして蒼天に近づいても、瑠璃の視る夢が滅亡の運命から変わらないのが最大の問題。化け狐が宮中で何か悪さをしているのが原因なのか? そんな興味を抱かせながら進んでいくストーリーの先で、蒼天と瑠璃の心が重なり滅亡の運命は変わるのかを見極めよう。
同時発売の『茉莉花官吏伝 十七 百聞は一験に如かず』には武官だった頃の蒼天が登場しているとか。皇族にされるような人物なのかが分かるのなら読まないと。
文:タニグチリウイチ
ざっくり言うとこんな作品
・青龍の力を持つ采青国の公主・瑠璃が主人公。皇族ゆえの強引さで、平民上がりの訳あり皇族・蒼天を振り回します! 最初こそ噛み合わない二人ですがだんだんと心通わせる様子がかわいすぎます♪
・石田先生らしい謎解き要素もアリ! 蒼天の出したある条件から、二人は王宮の事件に挑むこととなり――!?
・石田リンネ先生の大人気シリーズ「茉莉花官吏伝」の新作スピンオフ! ぜひ、同月発売の「茉莉花官吏伝」最新刊も合わせてお読みください♪
主要キャラ紹介

瑠璃
采青国の公主で未来視の能力の持ち主。夢で見た国が滅びる運命を変えようと皇帝に相応しい人物として蒼天を選び押しかけ妻になろうとする。祥抄という訳ありの侍女がいる。

蒼天
皇弟・高福の妻だった優娜が武官と駆け落ちして産んだ子。高福が実子だと言い出し皇族にさせられる。敵意を買わないように大人しくしていたが瑠璃の求婚で状況が激変する。