【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファンタジア文庫から3月19日に刊行された『ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする』です。みなさんの感想も聞かせてください!
作中で描かれるのは、ひとつの幸せと、ひとつの不幸。王道甘々ラブコメを読んだ時の微笑ましさと、いわゆる“ざまぁ”系の爽快感の同居というちょっとした新感覚を味わえるのが、本作の特徴と言えるだろう。
ヒロインの七瀬ひよりは背が小さい。だがあえてどこがとは言わないが、デカいのである。ボンキュッボーンという感じだ。もうそれだけで幸福度はかなり高いのだが、彼女は感情豊かで人懐こいところも非常に可愛い。慰めてくれた雄介に懐き、その傍でよく笑うひよりの姿には、雄介とともに幸せを願わずにはいられなくなる。明朗快活な女の子らしさが実にいい。幸福である。
その一方で、ひよりに二股をかけた元カレ・仁秀の念入りな転落人生が別の意味で目を引く。仁秀はいわゆる悪い彼氏で、ひよりという幼馴染の彼女がありながら、次々にキープを作り続けようという節操のなさ。当然そんな事をしていれば大変なことになる。天網恢恢疎にして漏らさずとはよく言ったもので、激しいしっぺ返しを食らうことになるのだが、結局は身から出た錆。どこまで転落していくのか? という彼の不幸に黒い期待をついしてしまうのだ。
しかしそんな仁秀の不幸があるからこそ、雄介とひよりが普通に幸せを積み上げていく様が際立っている。ゆっくりとだが確実に仲を深めるこの二人の姿は、見ていてホッとする安心感がある。その裏で道を踏み外して、不幸街道を爆走し続ける存在がいればなおさらだ。そこには幸不幸のコントラストがある。仁秀は本作におけるもう一人の主人公だと言っても過言ではない。多分。
ただのラブコメではなく、2つのコンセプトを見事に両立しながら進んでいく物語は非常に新鮮で面白い。
一組のカップルの幸せを素直に願いながらも、ついでに仁秀もいつかは幸せになってほしいと切に願いたくなる……そんな作品だった。

文:明日香 譲
ざっくり言うとこんな作品
1)ちっちゃくてデカいヒロイン、ひよりの元気で明るい可愛らしさにとても癒される! よく喋り、よく笑い、よく食べる彼女の姿に、幸せを願わずにはいられない‼
2)王道ラブコメストーリーの裏で同時進行する、凄まじいざまぁ展開は爽快感抜群! 元カレ・仁秀はある意味で本作のもう一人の主人公。その顛末から目が離せなくなる!?
3)幸福を応援したくなるカップルと、不幸を期待してしまいたくなる元カレの、悲喜こもごもを楽しめる人間模様が新鮮で面白い!
主要キャラ紹介
七瀬ひより
背丈は小さいがそれ以外はとっても大きなヒロイン。仁秀に二股をかけられ傷心のところ雄介と出会う。よく食べよく笑う姿がとても表現豊かでかわいい。

尾上雄介
本作の主人公。威圧感のある高い身長とは裏腹に、純朴な性格で恋愛ごとには非常に奥手。ひよりと仁秀の修羅場を偶然目撃してしまい、傷心のひよりを慰める。

江間仁秀
ひよりの元カレ。女好きで自分勝手な性格。二股が発覚した後も、ひよりを当然のように彼女として扱う。その行為が、やがて自分の身を滅ぼしていくことに。

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ちっちゃくてデカくて可愛い七瀬さんを勘違い元カレから奪って幸せにする
著者: 烏丸 英 イラスト: 瑠川 ねぎ
安心して。七瀬さんは僕が絶対に幸せにするから。
クラスメイトの修羅場に偶然居合わせた僕、尾上雄介。
浮気を隠していたクズ彼氏に傷付く七瀬ひよりさんを放っておけず、思わず声をかけた。
「体を許してあげれば良かったのかな…」
そう落ち込む彼女を励まして、吹っ切れたような笑顔を見せてくれたあの日をきっかけに、僕と彼女の交流が始まった。
「……いいよ。あたし、雄介くんと幸せになりたいと思ってる」
――家で一緒にご飯を食べたり、2人きりでデートに行ったり、さらにはお泊まりまで…!
身長差30cm以上の凸凹カップルは少しずつ、自分たちのペースで心の距離を縮めていく。
純愛&『ざまぁ』が同時進行する新感覚ラブコメ、スタート!