【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はスニーカー文庫から3月1日に刊行される『幼馴染、ときどき女子高生。リボンをするのは俺の前で。』(著者:花宮拓夜/イラスト:昌未)です。みなさんの感想も聞かせてください!
子どもの頃は世界が狭かった。自宅と学校、そして公園。それがすべてだった。その世界を共有する幼馴染の存在は、何よりも大切な宝物だった。嬉しいときも、悲しいときも、いつも隣にはあの子がいた。しかし、成長すると世界が広がり、それぞれが違う道を歩み始める。いつしか、あの子の姿は遠い記憶の中で美しい思い出に変わっていった。
ヒロインの湯城優愛は、まさに誰もが憧れる理想の幼馴染だ。普段は男子の制服を身にまとい、女生徒から絶大な人気を誇るボーイッシュな王子様。しかし主人公の空斗の前では、可愛いらしい服でおめかしする超絶美少女。あるときはイケメン、またあるときは美少女、このギャップに胸を撃ち抜かれてしまうんですよ。数年ぶりの再会にもかかわらず、昔と変わらぬ距離感で付き合ってくれる女の子の幼馴染なんて、いまや天然記念物です。ましてや、幼い頃とはいえ結婚の約束もした女の子となれば、運命の再会から始まるラブストーリーに胸をときめかされずにはいられない。

昔のような距離感で親しく付き合いながらも、高校生にもなれば幼い頃ほど無邪気ではいられませんよね。ただの幼馴染だと思い込もうとしても、ふとした瞬間の触れ合いに胸が高鳴ってしまう。仕方ないですよねぇ、だって空斗の前では王子様ではなく、ただの可愛い女の子なのだから。ぼっちで地味な自分が、人気者の優愛と一緒にいていいのか──思わず卑屈になってしまう空斗ですが、優愛は昔と変わらない信頼を空斗に寄せている。そんな一途なところが魅力的なんです。
そんな優愛に空斗も格好いい姿を見せたいと意気込んでみたり、憧れの存在だった南方さんにデートに誘われながらも、気がつけば優愛のことばかり考えてしまったり、自分でも抑えきれない感情に突き動かされる少年少女の若さが眩しいったらありゃしない。友情と恋の狭間で揺れる彼らの三角関係は、まさに青春の醍醐味。甘酸っぱくも胸が高鳴る学園ラブコメでした。
文:愛咲優詩
ざっくり言うとこんな作品
1)となりのクラスの噂のイケメン転校生は、幼い頃に結婚の約束をした幼馴染だった。可愛くてカッコイイ男装ヒロインがポイント。
2)学園の王子様として人気者に、だけど主人公の空斗の前では可愛い女の子の姿で甘えてくる。男らしさと女の子らしさのギャップがたまらない。
3)優愛をきっかけにクラスメイトの美少女とも距離を縮めて……、三角関係が気になる学園ラブコメ。
主要キャラ紹介
都築空斗(つづき そらと)
元サッカー少年だったが怪我で引退後、人付き合いを避けてしまい、高校では友達のいないぼっちになってしまった。

湯城優愛(ゆしろ ゆうあ)
隣のクラスに転校してきたイケメン男装女子でたちまち学園の人気者に。幼い頃に結婚の約束した空斗の幼馴染。

南方咲歩(みなかた さほ)
空斗のクラスメイトで誰とも隔てなく交流するアイドル的存在。空斗の憧れの女の子。空斗と優愛の関係が気になっている。

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幼馴染、ときどき女子高生。リボンをするのは俺の前で。
著者: 花宮 拓夜 イラスト: 昌未
みんなの前では王子様、ほんとの笑顔は君にだけ。
「――次にお互い大人になって会った時、結婚しよう」小さい頃かわした幼馴染・湯城優愛との記憶も薄れてきた高校二年生・都築空斗は、クラスの美少女・南方咲歩に想いを
寄せるようになっていた。そんなある日、超絶イケメンが転校してきた。咲歩も学校中の女子も色めき立っていたが、そんな彼……いや、彼女の正体は、男子制服を身に纏った幼馴染優愛だった! 優愛は俺に気づくと、昔と変わらない女の子の表情を見せあの頃と同じ親しげに語りかけてきて――学校では王子様、二人きりだと可愛い幼馴染。二つの笑顔にドキドキが止まらない!?