【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はスニーカー文庫から3月1日に刊行される『学年の二大美少女にフラれたのに、何故か懐かれたらしい』(著者:あおぞら/イラスト:ぴろ瀬)です。みなさんの感想も聞かせてください!
学年の美少女二人に同日告白からの玉砕……。佐々木瑛太は、ラブコメ史上一・二を争う(ある意味)衝撃的な告白をかました主人公と称しても過言ではないだろう。そもそも瑛太は恋愛に対して積極的ではない。なのにそんな大胆な行動に出たのは、仲間内への見栄だったというのが、思春期ゆえの暴走感があって笑える。しかし、それで結果的に美少女二人とお近づきになれたのだから、人生とは不思議なものだ。
ヒロインの一人、姶良柚は瑛太の告白が「本気じゃない」とあっさり見抜く。作中で彼女は「相手が自分を好きではないと分かったほうが接しやすい」と言っていたが、なるほど…。これは非常に納得のいく意見である。もしも柚のように、いつも学内でアイドル的存在として扱われていたら、好意の有無を抜きにした対等な関係を築くことは難しいだろう。この視点はとてもリアルだ。

つまり好意がないからこそ、瑛太は柚と対等な友人になるチャンスを得た。それだけでなく、優しい性格が災いし、告白を断ることに罪悪感を抱えてしまう姫野芽衣に対しても、さらっと気遣いのフォローを入れるあたり、瑛太は友達にしたいと思えるイイヤツだ。
瑛太に気を許してからの柚はもうそれはグイグイくる。クールな不思議ちゃんに振り回されながらも負けじとツッコミを返す主人公。そこにちょっぴり天然入った優等生ヒロインの芽衣が加わった日常が楽しくないはずがない。
タイプの異なる美少女二人に懐かれて、瑛太は学内の男子たちから羨望の的になる。両手に花で羨ましい! というのは確かにある。でもそれ以上に、それぞれが互いを「友達」として認識していく過程にこそ、得も言われぬ心地よさを覚えるのだ。
文:赤川 恵
ざっくり言うとこんな作品
1)告白は恋の「はじまり」でも「おわり」でもない。フラれてからはじまる関係性を描いた異色のラブコメ展開が新鮮。
2)好きなこと以外は興味ゼロのマイペース美少女と、完璧だけどちょっぴり天然な高嶺の花。異なるタイプのヒロイン二人がとても可愛い。
3)テンポの良い会話と、主人公の飾らない言動が生み出すコメディ要素。距離が縮まっていく三人の心地よい関係性が魅力。
主要キャラ紹介
姶良柚
学年の二大美少女のひとり。口数が少なく、猫のように気まぐれ。

姫野芽衣
学年の二大美少女のひとり。聖女のように優しい、マドンナ的存在。

佐々木瑛太
「恋人を作らなくても楽しい」と考えるような男子高校生だったが…。
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学年の二大美少女にフラれたのに、何故か懐かれたらしい
著者: あおぞら イラスト: ぴろ瀬
だって彼は他の人とは違うから。ほのぼのハーレム学園ラブコメ!
華の高校生活は彼女がいてこそ、と友達に煽られた佐々木瑛太は二人の美少女に告白することにした。
一人目、マイペースで気まぐれな美少女姶良柚。
ニ人目、文武両道の清楚な美少女姫野芽衣。
結果は当然即撃沈。
しかも一日のうちに学年の二大美少女に立て続けに告白してフラれたという噂は光速で学校中に広まった。
なのに。
(私の中で一番好感度が高い)
(彼は何か他の人とは違う)
気付けば、何故か柚と芽衣どちらにも懐かれていた。
なんで!?
「ん、めいは私の友達。えーたも友達」
「はいっ! お二人とも私の大切な友達ですっ!」
放課後もテスト勉強も文化祭も、三人一緒だから最高に楽しい。
ほのぼのハーレム学園ラブコメ!