【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はファミ通文庫から2月28日に刊行される『嘘吐きは勇者の始まり1 偽物勇者に転生したけど大好きなゲームの死亡ルートしかない悲劇のヒロインを救い出す。』(著者:柴猫侍/イラスト:ミユキルリア)です。みなさんの感想も聞かせてください!
ゲームの悪役令嬢や小説の悪徳貴族に転生してしまったら、誰だって破滅する運命から逃れようとあがくよね。ライアーもそうしようとしたけれど、そこでメインストーリーに絡まないようにしたのがなかなかユニークだ。
散々遊んだゲームの世界で最大の嫌われ者に転生してしまった。このままではアータンという大好きなヒロインを自らの手で不幸にしてしまう。だったらとメインストーリーから離れ、勇者として活躍して誰からも好かれる存在になろうとしたのは懸命な判断だ。ゲームで知った世界だから成功だって容易だし。

でも、ライアーはアータンと出会ってしまった。ゲームだとライアーは偽者勇者としてアータンを騙し悲惨な目に遭わせる。そうならないよう頑張ったって、世界を維持する仕組みとやらが働いてしまったらお終いだ。だからアータンを誰かに預けてひとり旅に出るのかと思ったら、ライアーはアータンを連れて冒険を続ける。これがちょっと不思議だった。
頑張れば運命なんて変えられるんだ。嘘でも吐き通せば本当になるんだ。そんなことを訴えて、やり直す勇気を感じさせてくれようとしているのかもしれない。それで誰もがハッピーエンドを迎えられるなら最高だけど、 ライアーが偽者勇者であるからには、どこかに本物の勇者がいるはずだ。そんな2人が出会った時にライアーはどんな道を選ぶんだろう? いろいろ気になるけれど、とりあえずは軽薄だけど頼もしいライアーとアータンの旅を見守っていこう!
文:タニグチリウイチ
ざっくり言うとこんな作品
1)ヒロインが絶対に不幸になるゲームの世界に不幸の原因となる偽勇者として転生してしまった主人公はどうやって運命を回避する?
2)嫌われ者になるはずが窮地に陥っていた女騎士団長を助け街のためになる仕事をこなし誰からも好かれる存在になる生き方が最高!
3)自分は不幸だと嘆き悲しみ自分が悪いんだと罪の意識に苛まれている少女に自分を客観視できるのはスゴいと褒める優しさが憎い!
主要キャラ紹介
ライアー
主人公が転生したゲームでヒロインを不幸にする仮面姿の偽者勇者

アータン
絶対に不幸になる運命にあるゲームのヒロイン。似た顔の姉がいる

セパル
聖堂騎士団の女騎士団長でライアーに命を救われ激しい好意を抱く

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嘘吐きは勇者の始まり 偽物勇者に転生したけど大好きなゲームの死亡ルートしかない悲劇のヒロインを救い出す。 1
著者: 柴猫侍 イラスト: ミユキルリア
死亡ルート確定ヒロインを救うために全力を尽くす偽物勇者の冒険譚、登場!
熱狂的に愛するゲーム『ギルティ・シン』の「偽物勇者」に転生した男ライアー。
一見すると厳しい逆境の中でも、持ち前のゲーム知識と一筋縄ではいかない奔放な性格で冒険者としてやりたい放題の日々を送っていた。
そんな中、彼が出会ったアータンという少女――彼女こそ『ギルティ・シン』のゲーム内のどんなルートでも決して幸せにならない悲劇のヒロインにして、ライアーが原作ゲームで最も愛する存在。
そんな彼女を助けるのは当然とばかりに、ライアーは悲劇的な少女のイベントに介入し、思わぬ形で助けることに。
WEBで話題沸騰! ここに始まる、絶対に救われないヒロインと嘘吐きな偽物勇者の最高に楽しく激しい冒険、刮目の開幕――!