【レビュー】かつてのライバルとなぜか夫婦(仮)関係に!? 男女のロマンスあり、呪術を使ったアクションあり、後宮でのミステリーありの一冊!

絶華の契り 仮初め呪術師夫婦は後宮を駆ける

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は1月31日に刊行される『絶華の契り 仮初め呪術師夫婦は後宮を駆ける』です。みなさんの感想も聞かせてください!


幾度も勝負を重ねてきたライバルが、共通の敵を前にしてまさかの共闘。お互いを知り尽くしているからこそ、そのコンビネーションは抜群で……。どんなジャンルの作品でも熱くなれる、最高の展開ですよね。ええ、大好物です。この手の関係だと、同性の場合が多いかと思いますが、本作の紅珠と涼は女性と男性のライバル同士。となれば、友情、信頼とともに愛情が生まれる可能性も……!?

『絶華の契り 仮初め呪術師夫婦は後宮を駆ける』より

仮初めの夫婦になったとはいえ、顔を合わせれば喧嘩ばかりの紅珠と涼。しかしそれも、お互いを思えばこそ。かたや、男社会の不条理と常に戦ってきた紅珠。かたや、身分が絶対の権力となる皇宮で、己を押し殺してきた涼。ふたりが肩肘を張らず、本当の自分でいられるのは、お互いの前でだけという。それぞれの苦労も相まって、読み進めるほどにふたりが愛おしくてたまらなくなります。

そんな紅珠と涼が挑むのは、後宮にうごめく怪事件。ただでさえドロドロとした人間関係で息がつまりそうな世界なのに、そこに呪術なんかがからめばもう、明らかに常人が手に負える代物ではありませんね(笑)。誰が黒幕でもおかしくない、多くの妃や宦官たちの悪意をはねのけ、事件を解決していくクライマックスは、それまで溜めこんだ鬱憤を痛快に晴らしてくれる、実にスカッとするものでした。丁寧に描かれた世界観のなかで、呪術を使ったアクションに、後宮でのミステリー、そしてライバル男女のロマンスまで楽しめる、大満足の一作です。

文:瀧田伸也

ざっくり言うとこんな作品

・男社会の宮廷組織を自分の実力で成り上がった最強ヒロインと、過去に彼女に救われて密かに初恋をこじらせた執着ヒーロー(実はこの国の第三皇子)!

・かつての好敵手であり相棒でもあった相手に、かつての賭けをネタに迫られなぜか夫婦(仮)関係に!?

・息の合った二人が後宮に仕掛けられた呪術と陰謀の謎に迫り、策略と物理で解決する痛快活劇!

主要キャラ紹介

黎紅珠(れいこうじゅ)
宮廷呪術師組織「明仙連」の八仙の一人。『武侠仙女』と呼ばれ、攻撃系の術が得意。涼とは腐れ縁であり、好敵手兼相棒。

黎紅珠(れいこうじゅ)

李陵(りりょう)
第三皇子で、皇宮を守護する隠密呪術師。紅珠の祓師塾時代の同期だが、当時は身分を伏せて「涼」と名乗っていた。

李陵(りりょう)

瑠華(るか)
嫁入りした紅珠の世話役で、絶世の美貌と有能さの持ち主。

瑠華(るか)

桃燕(とうえん)
後宮の第八公妃。大手「飛天商会」で名の知れた商人。

桃燕(とうえん)

皇帝
李陵の父。強気な外交で麗華国を治める当代皇帝。

皇帝

作品情報
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    絶華の契り 仮初め呪術師夫婦は後宮を駆ける

    著者: 安崎依代   イラスト: Nai2

    最強夫婦(仮)が後宮の闇を祓う!? 嫁入り中華討魔ファンタジー!!

    「お前、俺んトコに嫁に来い」
    呪術師の紅珠に命じた第三皇子李陵は、かつての因縁の相手・涼!?
    皇宮を守護する隠密呪術師になっていた涼を助けられるのは妃だけ。
    つまり「嫁入り=救難信号」、紅珠の助けが必要な事態が起きているということで……「とっとと言いなさいよ、バカ」
    仮の婚姻関係を結び、調査を開始した二人。
    瘴気だらけの後宮は陰謀渦巻く魔窟で――!? 
    最強夫婦(仮)が駆け巡る、中華討魔ファンタジー開幕!

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