【レビュー】現代世界におけるデスゲームに転生魔王様降臨。痛快爽快無双ものをご堪能あれ!

『前世不死身の魔王にとって、デスゲームはぬるすぎる』

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから1月24日に刊行される『前世不死身の魔王にとって、デスゲームはぬるすぎる』です。みなさんの感想も聞かせてください!


勝てば莫大な報酬。負ければ死。究極のハイリスク・ハイリターン、それがデスゲーム。しかし、参加者が不死身の魔王だったなら……それはもはや、ノーリスクなわけで。これでいくらでも稼ぎ放題! と、自分のような一般人ならつい考えてしまうところですが、さすがは異世界の魔王様。そんなゲスい考えなど、彼には微塵もないようです。

逢真の前世であるジェントは、魔族と人間の戦争が続いていた異世界において、魔族を率いていた最強の魔王。しかし、誰よりも世界の平和を望んでいた彼は、自身こそが双方のパワーバランスを崩す存在であることを考慮し、あえて人間の勇者に討たれ、現世に転生したのです。彼が平穏な日常を望むのは、前世でも現世でも同じこと。そんな逢真が、運悪く参加したデスゲームに異世界の魔法が関与していると知れば、見過ごせないのは当然でしょう。まして、クラスメイトの七菜香も巻きこまれているのなら、なおさら。

『前世不死身の魔王にとって、デスゲームはぬるすぎる』

これほどまでに慈悲深く、高潔な魔王ジェントこと逢真ですが、唯一の欠点(?)は、女心に鈍感なこと。七菜香のほかにも、普段は逢真に厳しい友梨や、義妹の結愛と、逢真の周囲には、タイプの異なるヒロインがたくさん。実は彼女たちにも「正体」があるわけですが……、共通しているのは、少なからず逢真を想っていること。逢真の調査に協力しつつ、彼との距離を縮めていく、各ヒロインのかわいさも、本作の魅力でしょう。理不尽なデスゲームをも凌駕する、逢真の存在感が実に爽快な作品でした。

文:瀧田伸也

ざっくり言うとこんな作品

1)何かの手違いで参加させられたデスゲーム。参加を拒否しようとした逢真だったが、その結果、問答無用でいきなり殺されてしまう!?

2)デスゲームには、逢真が魔王だった異世界の魔法が使われていた。現世の平和を守るため、元・不死身の魔王が事件解決に動き出す!

3)それぞれに秘密のある三人のヒロインたち。事件の一方で、逢真をめぐって巻き起こる、七菜香、友梨、結愛のラブコメ展開にも注目。

主要キャラ紹介

白波逢真&沖島七菜香

▼白波逢真(しらなみ おうま)/左
雰囲気暗めな陰キャ系の高校二年生。その前世は、不死王と呼ばれた異世界最強の魔王・ジェント。偶然参加したデスゲームに異世界の魔法が関与していると知り、調査を始める。

▼沖島七菜香(おきしま ななか)/右
逢真のクラスメイトであり、スクールカーストトップの女子生徒。両親が抱えてしまった借金返済のため、大金を求めており、逢真が参加したデスゲームにも参加していた。

作品情報
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    前世不死身の魔王にとって、デスゲームはぬるすぎる

    著者: 高橋びすい   イラスト: kakao

    「再生が鈍い。久々だから仕方ないか?」

    突如、デスゲーム会場に連行された白波逢真。見せしめ役として急に殺された──と思いきや、その場で生き返り運営を魔法で制圧!? 逢真の正体は〈不死王〉と呼ばれた異世界の魔王だった! 異世界で続いた人間との戦争に嫌気がさし、平和な地球に転生してきたのだが……「転生者がデスゲームの主催者だって?」配下曰く、悪い転生者が魔法を使ってデスゲームを開催しているらしい。このままだと、この世界で仲良くなったクラスメイトや家族にも危険が及ぶ。「俺はこの世界が好きだ。潰すぞ、デスゲーム」「流石です魔王様!」不死身の力を使えば、どんな死の危険だって余裕で突破! デスゲーム破壊系魔王譚、開幕!

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