【レビュー】大人気楽曲『ラヴィ』の世界が小説化! ダークでポップで刺激的な物語に仕上がりました

『ラヴィ THE MUSIC NOVEL』

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから1月24日に刊行される『ラヴィ THE MUSIC NOVEL』です。みなさんの感想も聞かせてください!


蠱惑的な楽曲にインスピレーションを受けて生み出された、ダークでポップで刺激的な物語。人間が隠し持つ裏の顔をあぶり出し、偽善者の人生を破壊するラヴィの鮮やかな手腕と、毒気に満ちたキュートな姿にわくわくさせられました。

ラヴィの掌の上で転がされるのは、同じ学校に通う生徒たちばかりではありません。教師や親など、本来は子どもを庇護すべき大人たちが隠し持つ醜悪な欲望を、ラヴィは鋭い嗅覚で嗅ぎつけます。そして彼らを追い詰めるために最高の舞台を用意して、天国から地獄へと叩き落としてみせるのです。可憐な美少女にしか見えない自称吸血鬼の男の子が、大人たちを手玉に取ってまるで狩りをするように弄ぶ。ラヴィの強烈なキャラクター性と、勝利を確信した大人を絶望に追い込む鮮やかな逆転劇がたまりません。

『ラヴィ THE MUSIC NOVEL』

さらに注目は、あらゆる面で「普通」なはずの陽菜の隠された一面です。個性的なラヴィについつい目を奪われがちですが、ラヴィに絡まれては偽善者たちへの制裁に巻き込まれていく彼女も、実は一筋縄ではいかないキャラクターであることが、物語が進むにつれて明かされていきます。一体なぜ、陽菜はこんなにも「普通」であることにこだわり続けるのか。「普通」もまた、ただ平凡でつまらないだけの存在では決してないのです。善人面をした人たちの欺瞞を暴くだけでなく、一見ありふれたようなキャラクターを通して人間の多面性を浮かび上がらせるのが本作の肝。そんな陽菜とラヴィ、対照的なペアで魅せるコンビネーションの妙が小気味よい一作です。

文:嵯峨景子

ざっくり言うとこんな作品

1)YouTubeで2800万回再生された大人気楽曲が小説になって登場。音楽×小説のコラボレーションで新しい世界を展開!

2)「ラヴィ」を手掛けた新進気鋭のミュージシャン「すりぃ」が原作と監修を担当。楽曲ファンも要注目の物語世界が楽しめる。

3)社会に巣食う偽善者の正体を暴く爽快感満載のストーリー。常識にも正義にも縛られないラヴィの毒気が痛快!

主要キャラ紹介

ラヴィ&周藤陽菜

▼ラヴィ/左
神出鬼没の謎の美少女。退屈が嫌いで、楽しいからという理由で人の裏の顔を暴いては偽善者に制裁を加えている。陽菜の学校に潜り込みさまざまな事件で暗躍するが……。

▼周藤陽菜(しゅうとう ひな)/右
「普通」という言葉が好きな平凡な少女。穏やかで平和な学校生活を送っていたが、ラヴィと出会って日常が一変。ラヴィに振り回されているうちにいつしか影響を受けていく。

作品情報
    • 試し読み
    • BookWalkerで購入する

    ラヴィ THE MUSIC NOVEL ギゼンシャ・クライシス

    著者: 玄武聡一郎   イラスト: SPIKE   原作・監修: すりぃ

    SNSで話題の超人気楽曲『ラヴィ』待望の小説化!

    「偽善者を叩きのめすのって、さいっこうに楽しいんだよ」
    普通であることを望み、平凡な日々を過ごす少女・陽菜。そんな彼女の前に、正体不明の存在・ラヴィは突然現れた――気絶した人気教師と、その本性を暴く衝撃的な写真とともに。
    常識も正義もなく、楽しいという理由だけで学校や社会に潜む「偽善者」に制裁を加えるラヴィ。
    次第に露わとなる、陽菜が「善人」だと慕っていた人たちの恐ろしい裏の顔。
    退屈を嫌う奔放なラヴィに振り回され、陽菜は陰謀が潜む生徒会選挙や有名ライバーとのダンスバトルなど、数々の事件に関わっていく。
    やがて……「次のターゲットは、陽菜おねえさんの××だよ」

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    MF文庫J
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