【レビュー】『ウィザーズ・ブレイン』シリーズ著者の最新作は、個性豊かな「魔剣使い」の少女たちによる、爽快なファンタジーアクション!

魔剣少女の星探し 十七【セプテンデキム】

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は1月10日に刊行される『魔剣少女の星探し 十七【セプテンデキム】』です。みなさんの感想も聞かせてください!


生き物の数え方は「死後に残るもの」に基づくという説がある。馬や牛は一頭、鳥は一羽、魚は一尾、そして人間は"一名"。人が死んだ後に残るものは"名前"だ。古来より、人は自分の名前や名声を後世に残すために命を懸けてきた。

主人公の少女リット・グラントも母から受け継いだ家名と真紅の魔剣『十七【セプテンデキム】』を世に知らしめるため、大都市セントラルを訪れる。しかし数々の英雄が名を馳せた魔剣戦争は終結し、平和になった世界では魔剣使いは時代遅れとされてしまう。そんな新時代にリットたち、若き魔剣少女たちが織りなす熱き剣戟に胸を揺さぶられる。

成り行きから二つの国の間で行われる決闘の代理人として指名されたリットは、同世代の魔剣使いの少女クララと激闘を繰り広げる。魔法を超えた魔剣の権能が飛び交い、可憐な少女たちが剣閃を散らし、一手一手を巡る駆け引きに釘付けになる。若くして達人の域に至った少女たちの圧倒的な技の応酬に息をのむ。

魔剣使いの決闘で描かれるのは、親から子へ、子から孫へ、先祖代々の魔剣を受け継ぎ、数百年かけて技を磨いてきた歴史の重みだ。リットに魔剣を託すために生涯を捧げた母と、母の願いに応えるべく最強の魔剣使いを目指す娘。母子の壮絶な絆の物語が目頭を熱くさせる。リットの振るう剣には確かな母の愛が宿っている。そしてクララも複雑な事情を抱え、互いの背負う誇りと伝統が剣の一振り一振りに込められている。それゆえに両者の闘いは気迫に満ち、見惚れるほどに美しいのだ。

『魔剣少女の星探し 十七【セプテンデキム】』より

物語はさらに魔剣の謎に迫り、より熾烈な闘争を紡ぎ出す。時代遅れとされた魔剣が新たな輝きを放ち、過去から未来へ繋げる"名前"を刻む。魔剣少女たちの輝く星のような生き様が瞼の裏に焼き付いて離れない壮大なヒロイックファンタジーだ。

文:愛咲優詩

ざっくり言うとこんな作品

・個性豊かな「魔剣使い」の少女たちによる、爽快なファンタジーアクション

・魔剣を巡る陰謀と共に描かれる、濃密なバトル描写

・熱い支持と共に完結した『ウィザーズ・ブレイン』シリーズ著者の最新作!

主要キャラ紹介

リット
母の技を受け継ぎ、天下一の魔剣使いを目指す少女。十七の刃によって構築された大剣型の魔剣『十七【セプテンデキム】』の主。

リット


クララ
魔剣使いとして名高い氏族に生まれるが、跡目争いを嫌って魔剣を手に出奔する。重さと軽さを自在に操るガラス質の細剣型の魔剣『山嶺【モンストゥルム】』の主。

クララ


ソフィア
輝く長い銀髪に白すぎる肌を持つ魔剣使いの少女。他者の魔剣の所有権を一時的に借用する短剣型の魔剣『全知【オムニシア】』の主。

ソフィア

作品情報
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    魔剣少女の星探し 十七

    著者: 三枝零一   イラスト: ごろく

    ──これは、伝説となって語り継がれる、魔剣使いの少女達の物語。

    「母様。リットは星を見つけました」

    魔剣の使い手が争った戦争が終結して一年。母の願いにより最強の魔剣使いを目指すリットは、魔剣の所持が許される唯一の都市「セントラル」を訪れた。そこで彼女は各国の思惑が絡み合った《はぐれの魔剣》を巡る陰謀に巻き込まれ、優れた魔剣『山嶺』の使い手である少女、クララと決闘をすることに――。

    「リット・グラントと魔剣『十七』、謹んでお相手いたします」
    「もっともっとわたくしを楽しませてくださいまし!」

    様々な目的を持つ魔剣少女たちが出会い、剣戟で幕は開かれる。
    『ウィザーズ・ブレイン』の著者が放つバトルファンタジー、推参!

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