【レビュー】美人の同期がたびたび部屋にやってきてご飯を食べてお泊りまで!? 素の自分をさらけ出して甘える姿がたまらない!

営業課の美人同期とご飯を食べるだけの日常

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は12月10日に刊行される『営業課の美人同期とご飯を食べるだけの日常』です。みなさんの感想も聞かせてください!


同期入社の美人が、高校時代の同級生だった。→まあわかる。
住んでいるマンションが、彼女と同じだった。→……まあ、わかる。
彼女が頻繁に自分の部屋へやって来て、食事を食べていくし泊まりもする。互いの部屋の合鍵も持っている。→おいおいおい!!!
でも彼女とは付き合っているわけではない。→はあ?!?!?!

この状況に疑問を覚える自分がおかしいのかと不安になるくらい、鹿見も秋津もこの生活を平然と続けていて、混乱状態がだいぶ長く続いた。叙述トリックでも仕込んであるのかと疑いもした(そんなことはなかったが)。

鹿見側の意識については本の半ばを過ぎたくらいで軽く、秋津がこうなるに至った理由については彼女視点の最終章で、それぞれ語られている。

その疑問も含めて、最初から最後まで楽しく読める作品だ。

まずは秋津の可愛らしさ。一途に鹿見のことを好きで、素の自分をさらけ出して甘える姿がたまらない。それでいて、鹿見の姿勢も尊重し、彼の決心をじっと待っている点がいじらしい……いや、着々と外堀は埋めつつあるけれど。

次いで食事描写の良さ。二人で食べるのは、ランチや飲みなど店で食べるものも帰宅して作る料理もあるし、コンビニ商品や祭りの屋台料理や出張中の駅弁なども描かれ、本当に様々。それらがどれもおいしそうで、読者の食欲をそそる。

『営業課の美人同期とご飯を食べるだけの日常』より

それにまた、主人公の立場に身を置く楽しさもある。鹿見は自身のことを残業だらけの社畜の事務員と語ってはいるが、その有能さは周囲の反応などから読み取れるし、職場自体が良い雰囲気なのが心地よい。

鹿見と秋津の熟年夫婦並みにこなれたやり取りが楽しめて、後輩女子や鹿見の大学時代の恋人も登場するが、読者がやきもきする必要はなさそう。カップルの仲睦まじい姿を見るのが好きな読者にぜひお薦めしたい。

文:髙橋義和

ざっくり言うとこんな作品

・美人の同期・秋津ひよりの可愛らしさがたまらない。気心の知れた元同級生とこっそり繰り広げる日々の(実質的な)いちゃいちゃ。

・食事のあれこれが実においしそう。ランチ・自炊・旅行・祭りなどバラエティに富んだシチュエーションで数々の料理が楽しめる。

・平凡に見えてずいぶん有能な主人公。多忙ながらもきっちり仕事をこなし、上司・先輩・同僚・後輩に恵まれた職場は理想的かも?

主要キャラ紹介

秋津ひより
インテリアメーカー勤務のしごできウーマン、営業課の圧倒的エース。
美人と評判で、男性女性問わず社内から憧れを集めている。

秋津ひより


鹿見 有
同じくインテリアメーカー勤務。膨大な量の残業を担う事務課の苦労人。
面倒見が良く、後輩たちから慕われている。ひよりとは同期入社。

鹿見有


夏芽あい
会社の案件で再会することになった、鹿見の大学時代の元恋人。
一見するとサバサバとした態度だが、実は鹿見に対して未練アリ。

夏芽あい

作品情報
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    営業課の美人同期とご飯を食べるだけの日常

    著者: 七転   イラスト: どうしま

    忙しい毎日でも、ごはんを食べるときには君がいる。ただ、それだけで幸せ。

     弊社の営業課には美人と評判のエースがいる。名前は秋津ひより、俺の同期である。「入社時期が同じ」というだけでなく、なんと高校時代の同級生でもある。人気者の彼女と学生時代からの知り合いだなんて、周りにバレると面倒だ。なるべく彼女とは関わらないように過ごしているが……。
    『昼一緒に食べられそうだけど、どう?』
     なぜかランチを一緒に食べたり、帰り際に飲みにいったり、はたまた自宅で夕飯を食べるような仲になっていた。これは社会の荒波に飲まれた残業モンスター達が美味しいご飯を食べるだけの話。
     そして、同期社員がほのかに宿した恋心をゆっくりと育む話。

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