【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は12月10日に刊行される『最強の悪役が往く ~実力至上主義の一族に転生した俺は、世界最強の剣士へと至る~』です。みなさんの感想も聞かせてください!
いわゆる異世界転生ものって、勇者とか王子といった、誰もが憧れる存在に生まれ変わることが多い。でも、本作の主人公は、よりによって最強の悪役・ルキウス・サルバトーレ公爵の息子「ルカ」として転生するのだ。それってどうなんだろう? と思いながら読み進めていったのだけど、気がついたら物語にどんどん引き込まれていった。
というのも、ルカには天賦の剣の才能があるだけでなく、強くなるための努力を続けられる意志の強さがあり、どの剣士をも凌駕する成長速度を誇っていたところにワクワクしたからだ。さらにこの異世界はルカが熱中していたゲームの世界にそっくりで、チート知識を存分に活用できるのも大きな強み。まさに世界最強の存在になるチャンス! 前世でルカは学校でいじめられた挙げ句、引きこもり生活を余儀なくされていたことは本当に同情するし、新たな人生を突き進む姿を見るとたまらなく応援したくなる!
物語では、ルカは年齢が上がるごとにめきめきと頭角を現していく。最強と目されていた姉ノルンの寵愛を受けたり、ゲームのラスボスとして君臨していた荒神のリリスと契約し、彼女の異能を譲り受けたりと、自分が強くなるための仲間づくりと巧みな戦略にも感服。使える者は使い、弱い者は情け容赦なく倒し、踏み台にしていくところもダークヒーローならではの悪の魅力がたっぷりだ。ふだんは冴えない生活をしている自分(涙)も、もし生まれ変わったら、強さを求める生き方をするのだ! と妄想が膨らみっぱなしの読書体験だったことを告白しておこう。
文:中島泰司
ざっくり言うとこんな作品
・戦いこそ生きがいであり、力が全てという地獄のような異世界に転生し、そこで第二の人生を生き抜こうとする主人公の熱い思い!
・ゲームの知識(チート)を存分に活用しつつ、強くなるためには手段を選ばない主人公の、意志の強さとカッコ良さ!
・最強を目指す主人公の影響を大きく受けたヒロインたちが、その個性をますます尖らせていくスリリングな面白さから目が離せない!
主要キャラ紹介
ルカ・サルバトーレ
主人公の生まれ変わりでサルバトーレ公爵家の末っ子。一族の中でもずば抜けた剣の才能を誇り、あらゆる物を強化できる《オーラ》の能力を最年少で覚醒させる。
リリス
《荒神》と呼ばれる存在。ルカと契約し異能《マテリア》を彼に譲渡する。以降、行動を共にすることに。貧乳を気にしていて、胸の話をされると堪忍袋の緒が一瞬でキレる!?
コルネリア・ゼーハバルト
ゼーハバルト帝国の皇女。剣の天才として称賛されていたが、ルカと手合わせした際、簡単に叩きのめされてしまう。その敗北はかえってルカへの想いを募らすことになり……?
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最強の悪役が往く~実力至上主義の一族に転生した俺は、世界最強の剣士へと至る~
著者: 反面教師 イラスト: Genyaky
強くなるためなら手段を選ばない――。最"凶"の悪役ファンタジー!
VRMMORPG《モノクロの世界》に登場する悪役公爵家のルカ・サルバトーレに転生した俺。いずれ滅亡するとはいえゲームでは最強の天才一族なのだが、このキャラはどうやらただのモブらしい。
実力至上主義を掲げる我が家では身内同士の殺し合いも日常茶飯事。破滅のシナリオに介入するか、いっそ家から逃げ出すか……。
否ッ! せっかく得た二度目の人生、誰にも奪われてなるものか。俺が最強の悪役となり、力で全てを蹂躙して生き抜いてやる!!
「俺の道を塞ぐ奴は殺す。相手が誰であろうとな」
強くなるためならヒロインも、ラスボスも、何だって利用する。邪魔する奴は皆殺し! 最"凶"の悪役が異世界を破壊する!?