【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はスニーカー文庫から11月29日に刊行される『路地裏で拾った女の子がバッドエンド後の乙女ゲームのヒロインだった件』(著者:カボチャマスク/イラスト:へいろー)です。みなさんの感想も聞かせてください!
乙女ゲームのメインヒロインがバッドエンドに追い込まれた後。ただゲームをプレイしているだけならば「辛いエンドだったな……」で終わりですが、単純に気になりませんか? その続きが……! 堕ちてしまったメインヒロインだって、さまざまな濡れ衣を着せられているわけだから、根は優しい子。そんな女の子に手を差し伸べるヒーローだっているはず……!
そんなオタクの妄想を描いた物語が本作です。いやぁ、一オタクとしては本当に手に汗握る沸る展開の連続でした。転生者である主人公と、フィーネを陥れた本人である転生者の攻防から始まって、国を揺るがす展開に胸キュンラブロマンス。乙女ゲームをやっていたはずなのに、そんなフィーネの行動にも気付かないのかとつっこみたくなる一幕まで。しかもライトノベル好きなら大好物の無双展開も欠かさず、特盛りセットみたいにワクワクが詰め込まれた一冊になっていました。
その中でも特に惹かれたのは、フィーネの可愛さと健気さ。フィーネはエリーゼに追い込まれて最初こそ絶望しているのですが、アッシュに手を差し伸ばされたことを機に、目に光を宿していきます。そこからどんどん逞しくなっていき、アッシュに惹かれていくその変化ったら……! もう素晴らしいとしか言えません!
──ちなみにこのラスト、このラストってどうなるんですか! 続き、続きを早く読ませてください!
文:太田祥暉
ざっくり言うとこんな作品
1)ヒロインをバッドエンドから救うラブコメにキュンキュンする!
2)転生者(アッシュ)VS転生者(エリーゼ)の読み合いが面白い!
3)乙女ゲームの展開を先読みして動いていく無双展開が楽しい!
主要キャラ紹介
アッシュ・レーベン
男爵家の次男として生まれた少年。『絆の魔法と聖なる夜会』をプレイしていた前世の記憶がある。
フィーネ・シュタウト
『絆の魔法と聖なる夜会』のメインヒロインで、エリーゼによって断罪されて学院を退学させられる事態に。
エリーゼ・リングシュタット
『絆の魔法と聖なる夜会』の記憶を持つ転生者。王子たちの心を射抜き、フィーネを退学へと追い込んだ。
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路地裏で拾った女の子がバッドエンド後の乙女ゲームのヒロインだった件
著者: カボチャマスク イラスト: へいろー
私を家に……泊めてもらえませんか
「おい、こんなところにいたら風邪をひくぞ」乙女ゲーム世界に転生し、王立魔法学院の下級貴族クラスに通うアッシュ・レーベン。ある日、雨に打たれながら路地裏で蹲っているゲームの正ヒロインのフィーネ・シュタウトに出会う。彼女から、自分が学院の四騎士と友人のエリーゼに「悪女」と罵られ、さらに退学を迫られていることを聞いたアッシュは彼らに決闘を挑み、フィーネをどん底から救い出す。すると彼女から「アッシュさんの屋敷に管理人として一緒に住まわせてほしい」とお願いされて共同生活を送ることになるのだが……。バッドエンド後のヒロインを救済する学園ラブコメディ。