【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は10月30日に刊行される『自分に自信がない最強パーティーメンバーが辞めたがる件 1.チートすぎる仲間となぜか英雄になった転生者』です。みなさんの感想も聞かせてください!
一芸に秀でることと、すべてに平均点をとることのどちらが人生にとって有意義なんだろう? そんな迷いを抱いている人ならとっても楽しめて、いろいろと教えられる物語だ。
付与魔導に盗賊スキルに黒魔導でそれぞれとてつもない才能を持っているシルとスズとマジクが、一芸以外はポンコツだからと申し訳なさそうにしている。一方で、そんな3人が憧れるレオは、剣の腕も体術も普通の人間としては最高クラスに達しているのに自分は凡人だと悩んでいる。
なんて贅沢な勘違い! レオなんて凄腕の聖女から好意を持たれ王国騎士団の団長から敬意を払われ、冒険者をしているお姫様や国で一番の美少女から求婚されるくらいのモテっぷり。何を迷うことがあるのと言ってやりたくなるけれど、それでも足りないものを感じて頑張ろうとしているから、誰もがさらに惹かれてしまうのだ。
一芸に秀でているとか満遍なく優れているといったことが、必ずしも自信とはつながらないのだとしたら、どうすれば自信を持てるようになるのだろう? 一芸にしか能がないならその一芸を極める。何でもそれなりにこなせるのなら、他の分野にも挑戦していく。自分にやれることをやり込んでいけば、得られる結果をいつかきっと誇らしく思えるようになるだろう。
シルもスズもマジクもレオも、それぞれがしっかりと自信を持つようになったら、どれだけの凄さを発揮するのだろう? どのように世界をどう変えてしまうのだろう? そんな興味も浮かぶけど、今はまだ自信を持てない面々が、すれ違いながらもお互いを信頼してカバーし合い、難題を乗り越えていく様子を見守って、頑張れと応援したくなる物語だった。
文:タニグチリウイチ
ざっくり言うとこんな作品
1)世界一の付与魔導師と究極のシーフで義賊と魔王級の魔力を持つ黒魔導師が役立たずだからとパーティーを抜けたがる不思議!
2)リーダーのレオもパーティー仲間や騎士団長や聖女様から能力を認められているのに自分は凡人だと思い込んでいるギャップ!
3)パーティーの仲間たちはもちろん聖女や王族の姫や国一番の美少女に恋心を抱かれながらまったく気づかないレオの鈍感ぶり!
主要キャラ紹介
▼レオ
王国最強の冒険者パーティー「白獅子」のリーダー。剣術も体術も相当なレベルに達していて最強クラスにあるが、パーティーメンバーや周囲の知り合いが凄すぎて自信を持てない。
▼シル
「白獅子」に所属する少女で付与魔導の使い手。木の枝にゴーレムを吹き飛ばすほどの力を持たせることができるが、付与魔導以外の魔法が使えないことから役立たずと思い込む。
▼スズ
シーフの少女でダンジョン内のあらゆる罠をかいくぐる能力を持つ。貴族から財宝を盗み貧しい人に配る義賊でもあるが、そのせいで自分は「白獅子」に相応しくないと思い込む。
▼マジク
黒魔導師の少女で眼鏡っ娘。とてつもない火力を放つことができるがうまくコントロールできずうかつには使えない。人類社会から目の敵にされている魔族の出身ということもあってパーティーを辞めたがる。
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自分に自信がない最強パーティーメンバーが辞めたがる件 チートすぎる仲間となぜか英雄になった転生者 1
著: 白石 基山 画: 灯
お飾りリーダーのはずが、最強の仲間に評価されすぎ!?
剣と魔法の世界で冒険者になった“よくある系”転生者レオ。強すぎる仲間のおかげで王国最強パーティー『白獅子』のリーダーに収まったが、自分に自信のない仲間たちがパーティーを辞めると言い出して!?
「いつも言ってるけど『白獅子』みんなが凄いだけで俺じゃないんだって!」
レオをやたらと持ち上げて、自己評価の低い仲間たち。彼らのフォローだけでも大変なのに、なぜか名高き聖女や天才騎士団長、無双の喧嘩屋といった強者ばかりに目を付けられて――!?
実は最強な自称凡人の勘違い異世界ファンタジー!