【レビュー】初めて一人暮らしをした、気ままでワクワクドキドキした日々を思い出す、異世界スローライフファンタジー登場!

『忘れられ令嬢は気ままに暮らしたい』

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMFブックスから10月25日に刊行される『忘れられ令嬢は気ままに暮らしたい』です。みなさんの感想も聞かせてください!


貴族令嬢のフェリシアは、領内辺境にある森の屋敷へ引っ越すことに。気ままなひとり暮らしのはじまり……と、言えば聞こえはいいものの、実際は孤立無援で見捨てられたも同然。普通の子なら人生詰んでいる状況ですが、幸いフェリシアも屋敷も、普通ではありませんでした。

チートな能力こそないものの、フェリシアは転生者。見た目は七歳でも、大人の品性や知性があります。そして、前住人が研究好きだったという屋敷には、謎の道具や資料だらけ。よりよい未来を勝ち取るには、まずは手探りでも屋敷の内外を調査し、解明しなくてはなりません。試行錯誤を繰り返し、少しずつ前進していくフェリシアの様子は、ワクワクすると同時に、応援してあげたくなってきます。

『忘れられ令嬢は気ままに暮らしたい』より

また、屋敷に眠る謎の数々も興味深いところ。調査を進めるほどに垣間見える、前住人の底知れなさは、ありがたさ半分、驚き半分。彼女の生活に便利なものもありつつ、どうしてこんなものが、と思うようなとんでもないモノも隠されて……?

町の人々との交流や、馬なのに賢いオニキスのおかげで、意外と孤独な寂しさも感じません。中身は大人とはいえ、少女の身体能力で狩りまで始めるようになると、もはや頼もしいとすら思えてきます。

タイトル通り、「気まま」な暮らしをするため、丁寧に暮らしをつくりあげていくフェリシア。でも、魔物の噂や公爵家の動向など、不穏な要素もちらほらと……。じわじわと迫り来る難題に、フェリシアはどう対処していくのか? 今後の展開も、楽しみでなりません。

文:瀧田伸也

ざっくり言うとこんな作品

1)転生者の貴族令嬢が突然、ひとり暮らしに。侍女もいないなか、なにもかもを手探りではじめていく、不安と期待の新生活にドキドキ!

2)森の中に建つ大きな屋敷は、前の住人が残した不思議な資料だらけ。魔道具や書物を調べていくほどに、驚くべき新発見が……?

3)元軍馬のオニキスや、森で助けたオオカミたちなど、孤独な生活も少しずつ賑やかに。町での交流で、新たな出会いの一幕も!

主要キャラ紹介

『忘れられ令嬢は気ままに暮らしたい』登場人物

▼フェリシア・ラビウス
ラビウス公爵家の六女。実は転生者でもあり、元冒険者だった母からは、訓練と勉強の英才教育を施されていた。母の死後は、辺境の屋敷でひとり暮らしすることに。

▼ティナ
辺境の町にあるギルドの受付嬢。フェリシアのような子どもが相手でも、丁寧に対応してくれる真面目な人物。フェリシアの身の上を知ってからは、彼女を優しく見守っている。

▼オニキス
フェリシアが、町の貸馬屋から買い取り、新たな家族として迎え入れた馬。元は軍馬で、人の言葉がわかるほど賢く、乗っていた兵士をかばって負った傷で、引退した経歴を持つ。

作品情報
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    • BookWalkerで購入する

    忘れられ令嬢は気ままに暮らしたい 1

    著者: はぐれうさぎ   イラスト: potg

    転生少女、謎の屋敷で初めての一人暮らし。

    ラビウス侯爵家の令嬢フェリシアは、父の再婚に伴って、まだ七歳にもかかわらず家を出ることになる。
    新たに暮らすことになったのは、領地の辺境にある、森の中の屋敷。しかし、彼女が屋敷に到着してしばらくしても、侍女も誰もやってこない。冒険者ギルドを通じて侯爵家に問い合わせると、「もう面倒を見ないから、あとは勝手に生きろ」という返答が届く。フェリシアは、自分が一人屋敷で忘れられる運命にあることを知る。
    ただ、彼女が暮らし始めた森の中の屋敷は、とても変わったものだった。何代か前の侯爵家当主の弟が住んでいたというそこには、自作らしき魔道具やおかしな畑、気になる地下室も。彼女は心機一転、謎の屋敷で、気ままな一人暮らしを満喫することにする。

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