【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから10月25日に刊行される『ちゃんと好きって言える子無双』です。みなさんの感想も聞かせてください!
案外、「好き」と告白することは難しいものです。僕も過去に、好きだなと思っている相手がいつの間にか彼氏持ちになっているなんてことを経験しました。そのショックたるや!
彼氏になった男が自分の知っている人だったらさらにダメージを負うわけで、なんでそうなる前に告白しなかったのかと後悔をし続けることとなります。まぁ、当時告白していたとしても、成就するとは限らないのですが……(編註:僕はその後、彼氏と別れた女の子に告白。無事に玉砕された経験があります)。
そんな経験がある人間からすると、七緒のバイタリティにはとにかく驚かされます。それに対して雨音と白亜、波留はなんだ。自分こそ和泉に好かれているのだからと信じてやまず、なんやかんやと言い訳をして、自分から告白する気がなかったわけです。そんなんだから負けヒロインになるんだよ!
いや、三人の気持ちも分かりますよ。告白するのは確かに怖い。けれど、その先の未来を夢見るのであれば、告白しなければならないのです。そうしないから七緒が横から出てきて、和泉をかっさらっていきました。あ〜あ。
にしても、和泉はこんなに可愛い美少女たちに囲まれて、何故ここまで鈍感でいられるのか! それほどに羨ましい環境なのですが、七緒の登場によって環境はどんどん激化していって……。
フラットでブラックな七緒の描かれ方も個人的にツボなので、早く和泉が誰を選ぶのか(そもそも七緒しか戦いの舞台にいないのですが)知りたいです!
文:太田祥暉
ざっくり言うとこんな作品
1)メインヒロイン・七瀬七緒の直球すぎるあざといアプローチが可愛い!
2)自分の方が先に好きだったのに! と焦る負けヒロインたちの様子も愛おしい!
3)清々しいまでに鈍感な主人公が、徐々に七緒へ心を許していく様子が心地よい!
主要キャラ紹介
▼七瀬七緒(ななせ ななお)
両親の転勤によって東京へと転校してきた少女。転校直前に学校を訪れた際に和泉と出会い、転校当日に告白。恋愛はぐいぐい行くタイプで、次々と和泉にアプローチをかけていく。
▼天崎雨音(あまさき あまね)
ファッションリーダーと称されるほど人気な現役モデル。学年トップクラスの成績を収めているが、それは和泉に教えてもらっているから。頼られると断れない性格の持ち主。
▼白菊白亜(しらぎく はくあ)
世界的製薬メーカーの令嬢であり、生徒会長を務める才女。氷姫という異名を持っている。和泉とは元許嫁の関係で、現在はアパートのお隣さん。今でも甲斐甲斐しく世話を焼いている。
▼春日波留(かすが はる)
和泉と同じ文芸部に所属する後輩。友人の祈をナンパから守る様から、悪魔ちゃんという異名がついた。中学三年生のときのとある出来事をきっかけに、和泉に想いを寄せるように。
▼澄江和泉(すみえ いずみ)
文芸部に所属している高校二年生。友人曰く「顔と家柄だけが取り柄」の残念なイケメン。世話焼きな性格の持ち主で、転校前に困っていた七緒や勉強に頭を抱えていた雨音に手を差し伸べた。
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ちゃんと好きって言える子無双 1
著者: 七菜なな イラスト: ちひろ 綺華
ラブコメの必勝法はいつもひとつ──『好き』を伝えまくるだけなのだ!
男子高校生・和泉に恋心を寄せる女子たちは、一歩が踏み出せず日々を過ごしていた。
【学園のアイドル様は、二人きりのときだけ甘えたがり】天崎雨音。
【実家から勘当されたのに、なぜか元・許嫁が放っておいてくれないんですが】白菊白亜。
【学園の天使ちゃん……の隣の悪魔ちゃんが、案外ちょろい】春日波留。
しかしそこに転校してきたのは、一見平凡だが天性のメインヒロイン・七瀬七緒!
七緒はあざとい直球アプローチで和泉に猛攻をしかけ出す。
「和泉くん、好きです。付き合ってください」「はい、あ~ん♪」「和泉くんが、わたしをこんな女にしたんだよ?」
「「「こいつ……やりやがった!?」」」と慌てた雨音たちも行動に──!?