【レビュー】転生したら「推し」が義理の弟に! 主人公の「推し活」により大変身を遂げる推しにドキドキが止まらない!

孤独な推しが義弟になったので、私が幸せにしてみせます。 押して駄目なら推してみろ!

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は11月1日に刊行される『孤独な推しが義弟になったので、私が幸せにしてみせます。 押して駄目なら推してみろ!』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 推し活は喜びにあふれたものだ。私もついついうさぎのイラストグッズやぬいぐるみを集めてしまうので、その楽しさがよくわかる。

 前世でその「推し活」にどっぷりはまっていた主人公イヴちゃんが、すれ違っている夫を「推す」楽しみを母上のオフィーリアに伝授するという発想も面白い。

 死亡フラグを回避するための奇策だった「推し活伝授」により冷淡な夫をすっかり「推し」にした母上は、イヴちゃんの予想以上の推しっぷりをみせる。その愛情の豊かさと行動力と創造力といじらしさが、彼女のかわいらしさになっており、ぐっとくる。

 けれど推し活と恋愛は違うもの。これがくせ者だ。恋愛は喜びあふれるだけではなく、相手と想いを交わし時には苦しむ。「推し」ではなく男性としてもう一度夫に愛を告げる母上は一途だからこそ凜然としていた。推し活ではなく二度目のケーキを前にして共にテーブルを囲うシーンは、夫婦であり家族としての幸せに溢れていた。

 肝心のイヴちゃんのほうは、転生したことで三次元の生身となった義弟のジョシュアが「推し」の幼少期なわけで、三次元だからこそ毎日起きる新イベントに、義弟を幸せにするため試行錯誤している。

『孤独な推しが義弟になったので、私が幸せにしてみせます。 押して駄目なら推してみろ!』より

 イヴちゃんの推し活により、ジョシュアは「不幸せにしたくなかった推し」ではなく、「かっこいい義弟ジョシュア」になる。ラストはジョシュアがイヴちゃんを「推し活」以上のどきどきと恥ずかしさを感じさせる大胆な言葉を発する。

 しっかりもののイヴちゃんが戸惑うかわいい姿も、そんな風にさせちゃうジョシュアの変身も、にやりとさせる見どころだ。

文:仲村友巳

ざっくり言うとこんな作品

・前世の推しが義弟に⁉ ゲームのような不幸な生い立ちにならないよう、義姉として義弟の人生を変え、しあわせを守る!

・推しが義弟なのに死んでなどいられない! 死ぬ運命を覆すため、母との推し活で幸せな家族生活を手に入れてみせる!

・義姉として大切にしていただけなのに、義弟は少しちがうようで――義弟の変化にドキドキ!!

主要キャラ紹介

イヴェット・ルイス
乙女ゲーム『ジュエラブ』に転生した死ぬ予定の侯爵令嬢。推しはジョシュア(15歳)

イヴェット・ルイス


ジョシュア・ルイス
イヴェットの義弟(10歳)。オッドアイのせいで虐げられてきた

ジョシュア・ルイス


オフィーリア・ルイス
侯爵夫人で、イヴェットの母。ユーグリットへの愛は一途でゆるがず、情熱的

オフィーリア・ルイス


ユーグリット・ルイス
侯爵。オフィーリアの夫だが人柄から妻への愛は推し量れない

ユーグリット・ルイス

作品情報
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    孤独な推しが義弟になったので、私が幸せにしてみせます。 押して駄目なら推してみろ!

    著者: 咲宮   イラスト: 春海汐

    幼少期の推しが義弟に!? バッドエンド回避&家庭円満は推し活で!?

    乙女ゲームに転生した侯爵令嬢のイヴェット。
    突然できた義弟ジョシュアは前世の推しで、ゲームが始まる前に一家心中で孤独になる。
    母が父に愛されず絶望することが原因で、つまり自分もそのとき死ぬことに……。
    思い悩む母に、イヴェットは新たな愛の形を提案する。
    「押して駄目なら推してみましょうお母様!!」
    死の回避と義弟の幸せを目指すが、義弟の様子が変で……「義弟じゃなきゃいいのに」
    義姉弟×推し活ラブコメ!

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