【レビュー】石田リンネ先生による書き下ろし新作!嫌がらせを受け、妹たちに追い出されても決して嘆かない。憎しみを優しさで返す主人公がカッコいい!

『第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃』

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は10月15日に刊行される『第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃 海の守護騎士との出逢い』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 婚約者を失い、母国の王位継承権争いに巻き込まれることなった第一王女……そう説明すると、いかにも悲劇のヒロインによるドラマが始まるように思えてしまうが、本作は嫉妬や憎悪が飛び交う昼ドラのような展開にならない。むしろ自立した女性が進むべき道を自力で切り開いていく朝ドラのような物語なのだ。

 主人公のルシアは第一王女ではあるが、立ち位置は微妙である。長女だが側室の娘なので、父親である王様は扱いに困っているし、四人の妹たちからすれば目の上のたんこぶだ。おかげで数年ぶりに妹たちと顔を合わせた晩餐会では次々と嫌がらせを受けるし、さらに帰国したばかりなのに辺境伯の地位を押し付けられて再び王宮を追い出されてしまう。

 でもこんな境遇なのに決して自分の運命を嘆かないルシアが大変凛々しくてカッコいい!

 飛ばされた港町を斬新なアイデアで次々に改革していく姿はデキる女という感じで素敵だ。自分に憎悪を向ける妹たちに対しては憎しみを返すのではなく、間違っているところをたしなめつつも、あくまで優しい態度で向き合う。その姿にはお姉ちゃんらしさが溢れている。またヒーロー役のフェリクスはルシアが嫌がらせにあうたびに怒ってくれるのだが、そんな彼を優しくなだめる姿も大変お姉ちゃん度が高い。

『第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃 海の守護騎士との出逢い』より

 こんなバリキャリ天然お姉ちゃんの存在が次期王女争いにどのような波紋を呼んでいくのか? そして婚約者を失い恋愛への興味が全くなくなった彼女にロマンスは生まれるのか? この先のルシアお姉さまの行く先がとにかく気になってしまう!

『第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃 海の守護騎士との出逢い』より

文:柿崎憲

ざっくり言うとこんな作品

・気高く美しい薄幸の王女ルシアが逆境にもまけず、抜群の政治センスで勝機を掴んでいく成り上がりストーリー!

・思わずドキドキ…!なヒーローとのちょっと大人なやり取りも満載! 天然で男を振り回すヒロインの魅力にも注目!

・「茉莉花官吏伝シリーズ」「おこぼれ姫シリーズ」などで活躍する石田リンネ先生による書き下ろし新作!

主要キャラ紹介

ルシア
本作の主人公。婚約者である他国の王太子の病没をきっかけに帰国し、王位継承権争いに巻き込まれる薄幸の美女。左遷先で一念発起し、一躍継承レースのトップに!?

ルシア


フェリックス
侯爵子息で次期王配でもある。争い続ける妹姫たちに嫌気がさしていたところ帰国したルシアの気高さに惹かれ、彼女の後押しをするように!

フェリックス

作品情報
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    第一王女ルシアの帰還と華麗なる快進撃 海の守護騎士との出逢い

    著者: 石田リンネ   イラスト: 壱子みるく亭

    女王候補に相応しい"最高の悪い男"でいてちょうだい

    婚約者である他国の王太子の死をきっかけにフォルトナート王国へ帰ることになった傷心の第一王女ルシア。
    すると四人の妹姫による王位継承権争いに巻き込まれ、嫌がらせを受た末、王宮から追い出されてしまう! 
    しかしその気高さに惹かれた公爵子息フェリックスに背中を押され、ルシアは新天地で"王の資質"を発揮! 
    女王候補の筆頭に躍り出て――!?

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