【レビュー】不幸な勘違いから「愛」に気づけなかった主人公は、タイムリープを繰り返し、真実に辿り着く!

『敵国で冷遇された皇女様は夫の愛に気づかない』

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は10月15日に刊行される『敵国で冷遇された皇女様は夫の愛に気づかない』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 タイムリープといえば嫌な事柄を回避するために行うもののイメージ。例えば好きな相手が死んでしまったり、自分が殺されそうになったり……。同時にいいことも行われてはいるけれど、その二つを天秤にかけたとき圧倒的に嫌な事柄の方が重いことが多いように思います。

 では、徐々に結婚相手からの愛が伝わってくる、というシチュエーションだったらどうでしょうか。

 最初は夫婦間に愛なんてものは存在しないとまで思っていたものの、実はそれが勘違いだったと徐々に気づいていく。そして愛に気づいたものの、祖国と嫁いだ国との間に戦争が勃発し、間を引き裂かれてしまいかねない事態となったためタイムリープすることに。でも、タイムリープをすると愛を育んだ時間はリセットされてしまうというジレンマつき……! 非常に悩ましい選択を迫られるミラの様子には、とても涙を誘われました。

『敵国で冷遇された皇女様は夫の愛に気づかない』より

 そもそも、口数は少ないし、一緒にご飯は食べないし、夫婦だけど寝室は別れているし、いつも睨むように目線が鋭いし、という、夫・クラウスに嫌われているのかな? と一見感じる描写が全て不幸なまでの勘違いだった、という点も二人のラブロマンスを加速させるポイントです。そこにそういう理由があったのね! と思うと、不器用なクラウスに少し共感もできるし、ミラもそこに気付けなくて可哀想だったねと励ましたくなるというか……。いや、本当に最初の三年間は不幸過ぎる……。

『敵国で冷遇された皇女様は夫の愛に気づかない』より

 しかし、タイムリープを繰り返して遂に幸せを掴む二人。そこまでの道筋がもう、涙なしには読めません! タイトルからして「夫の愛に気づかない」ですが、徐々に気づいていく様がもどかしい作品です。

文:太田祥暉

ざっくり言うとこんな作品

・最悪から始まるドラマティックな物語!
敵国に嫁いだ主人公を夫は睨み付け、冷遇を受ける。それでも和平を願い我慢していたのに祖国は亡ぼされ離縁⇒幽閉される主人公。そんな運命に抗う姿がとてもドラマティック!

・タイムリープするほどに気づく愛
嫌われいると思った夫だけど、指輪の力を使いタイムリープすればするほど彼の真実の姿を知り? そしてせっかくその愛に気づいたのに無常にもタイムリープをしなければならくなるなど切なさも満載!

・初々しい二人の愛情表現
想いを通わせ合った二人の姿は、思わず応援したくなるニヤニヤ展開も満載!

主要キャラ紹介

ミラ
エデルガルト王国へ敵国・カスパリア帝国から和平を願って嫁ぎに来た令嬢。
その境遇故に、メイドたちからも好かれていない。最初の時空では夫・クラウスとの間に愛を育めなかった。

ミラ


クラウス
エデルガルト王国の第三王子。口数が少なく、眉間に皺を寄せていることが多い。誰よりも平和を願っている優しい心の持ち主。

クラウス

作品情報
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    敵国で冷遇された皇女様は夫の愛に気づかない

    著者: 路地裏乃猫   イラスト: 白谷ゆう

    望まれない妻なので指輪の力でやり直します!運命に抗うループラブロマン!

    敵国に嫁いだ皇女ミラ。
    和平を願いどんな冷遇にも耐えてきたが、その願いも空しく祖国は滅ぼされ、離縁を言い渡されてしまう。
    ミラを一度も愛さなかった夫――今も彼女を睨むクラウス王子に結婚指輪をつき返そうとした次の瞬間、なぜか結婚式の日に逆戻り!
    ならば戦争を回避し、結婚生活をやり直そうとしたところ、夫の真の姿を知ることとなり!?


    「愛している」
    それは何より愛しい呪いでした――

    第6回ビーズログ小説大賞入選作!

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