【レビュー】「わたしたち──将来夫婦になるようですよ？」いきなりそんなことを言われたらどうする？

2024年9月25日公開

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回はMF文庫Jから9月25日に刊行される『みみみみ -神手洗澪には未来が視える-』です。みなさんの感想も聞かせてください！

「わたしたち──将来夫婦になるようですよ？」
いきなりそんなことを言われたらどうする？　しかもその相手が、透き通った目と絹のような白髪ロングの美少女だったら！──想像するだけで心臓がバクバクしそうだけど、主人公の桃澤基雄はそんなとんでもない幸運に恵まれる！　しかもこの美少女・神手洗澪は未来視ができるという。となると結ばれる可能性は大！　羨ましいぞ桃澤！　と読んでいる自分も嫉妬してしまいそう。

実はこの澪、未来視で世界を危機に陥れた【IW禍】から人類を救った救世主なのだ。桃澤はそんな彼女の側近としてサポートする役目を負っている。とりあえずは平和を取り戻した世界だが、またいつ【外敵】が襲ってくるかわからない。そうなったら恋愛どころじゃないよね。でも、澪はあっけらかんと、未来の伴侶に急接近！　転校した先のクラスでいきなり桃澤との恋人宣言をしたり、彼の部屋にこっそり忍び込み添い寝しようとしたり……理性が崩壊寸前にまで行ってしまう桃澤の気持ちは痛いほどわかる。

そんな二人だったけど、世界に再び危機が！　特殊な能力を持つ美少女と、有能だけどごく普通の男子高校生では、やはり立場が違うし、それぞれの思いもすれちがう……やはり分かり合えないのか……？　そんなこんなで最初は桃澤に嫉妬していたけれど、いつのまにか、「がんばれ桃澤！　ちゃんと澪の思いを受け止めろ！」と応援する自分がいたのに驚くばかりの一作なのだ。

文：中島泰司

ざっくり言うとこんな作品

１）世界を脅かす【外敵】との戦争で、救世主となった美少女・神手洗澪が、普通の女子高生となって戻ってくる「その後」の物語

２）ソーシャルゲームの戦争のような世界のあと、ありふれた日常を取り戻そうとする高校生たちの青春模様

３）それまで未来視を戦争でしか使ってこなかった澪が、学校生活の中でその能力を使っていくうちにどんどんラブコメ的展開に！

主要キャラ紹介

▼神手洗澪（みたらい　みお）
未来視という特殊能力を持つ15歳。【IW禍】と呼ばれる【外敵】との戦争で人類を勝利に導く。救世主として讃えられるが、そのことに重荷を感じているようで……？

▼桃澤基雄（ももざわ　もとお）
【IW禍】の際には澪をサポートする【α分隊】で後方支援をしていた。普通の女の子に戻った澪の側近になることを命じられる。家事能力もある頼れる男子

▼椋井夢生（むくい　むう）
【α分隊】の上層部スタッフで桃澤の上司にあたる女性。ピンクアッシュの髪に胸元開きまくりの着崩した制服姿で高校生になりすまし、澪と桃澤のバックアップに勤しんでいる

作品情報

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みみみみ－神手洗澪には未来が視える－

著者：岬鷺宮　イラスト：イコモチ

最後の戦いは終わった。ここから先は彼女と僕の、ありふれた恋の話。

突如地球に現れた【外敵】との戦い【IW禍】は、人類の勝利に終わった。世界に平和が戻ってきた。復興が進められる中で俺・桃澤基雄は、とある人物の側近に選ばれる。未来を予知する『未来視』能力で、人類を勝利に導いた『元』救世主。神手洗澪の側近に。しかも彼女は初対面で、「わたしたち、将来結婚するようですよ？」なんて言い出して……！？　
始まった彼女との日常。学校では正体を隠しつつ恋人同士として、放課後はお隣さんとして共同生活を送る日々。騒がしくも楽しいそんな毎日の中で、俺は一人の女の子としての澪を知っていく――。これは『平和になった世界』で始まる、元救世主とのありふれた恋物語。