【レビュー】『安達としまむら』入間人間先生が贈る、背徳感たっぷりな教師と教え子の禁断の恋愛小説

人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話

【新作ラノベ先読み感想文レビュー】
今回は9月10日に刊行される『人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話』です。みなさんの感想も聞かせてください!


 学校の先生って子供が一番接する機会の多い大人ですよね。私も小学生の頃は、担任の先生がかっこいい大人に見えていました。あの頃は、誰でも歳を経れば立派な大人になれるものだと思っていた。けれどあの頃の先生と同じ歳になってみて思うんですよ。大人はみんな完璧じゃないって。大人でも辛いことも傷つくこともあって、みんな悩んだり苦しんだりしながら頑張っている。

 苺原樹もそんな大人で、すでに結婚もしていて見た目は完璧な美人教師なのに、中身は不完全で理想の大人になりきれないところに親しみがわいてしまうのです。そんな彼女が夜の街を徘徊する教え子の女子高生・戸川凛と出会って、癒やされていく姿が和むのです。普段は真面目な教師として見栄を張っているけれども、彼女だって誰かに甘えたいんですよね。

 休み時間にキャッチボールしたり、放課後にカフェでお喋りをしたり、立場や仕事を忘れられる何気ない時間がほっとします。失敗したり、酔っ払って倒れたり、情けない姿も見せて、教師と教え子という関係から、次第に歳の離れた友達か、仲の良い姉妹のようになっていく二人の姿が愛おしい。真面目ぶっているけれども、若い女の子の瑞々しい肌や豊かな胸元、綺麗な足についつい見惚れてしまう樹のムッツリスケベな視点もニヤニヤしてしまう。

 戸川凛も陽気でイマドキの女の子らしいのだけれど複雑で、身体は大人なのに、心はまだまだ無邪気な子供のままで、そんなアンバランスなキャラの魅力にクラクラしてしまう。子供っぽいのに自分の身体の魅力をわかっていて、身体を使って樹の気を引く小悪魔ぶりが恐ろしい。ただ面倒な子だと思われたくなくて、一歩引いてしまう臆病なところは純粋でいじらしいのですよね。

『人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話』より

 無防備でありながら、本心の読めない戸川に振り回され、自分の昂った感情を持て余す樹の懊悩が悶えます。教師と教え子の禁断の愛、人妻の不倫、さらに同性同士という二重三重の背徳感がたまらない。いけないと思いながらも、二人の関係にドはまりすること間違いなしです。

文:愛咲優詩

ざっくり言うとこんな作品

1.人妻で高校教師の苺原樹が夜の街を徘徊していた女子高生・戸川凛を指導する。

2.休み時間に相談に乗ったり、プライベートな時間に遊びに誘われるうちに意識してしまう。

3.お互いに膨れ上がっていく感情を持て余す教師と教え子の禁断の百合ラブコメ。

主要キャラ紹介

苺原 樹(いちごはら いつき)
20代の美人高校教師。夫との関係は円満だが子供はまだいない。
女の子が好きという自覚がなかったが、10歳も年下の教え子の戸川凛を次第に意識してしまう。

苺原 樹(いちごはら いつき)


戸川 凛(とがわ りん)
苺原樹の教え子の女子高生。背が高く、スタイルのよい美少女。
人懐っこいが寂しがり屋。母子家庭で母親は放任主義。樹に執着してしまう。

戸川 凛(とがわ りん)


星 高空(ほし たかそら)
凛の年上の友人で人力車の車夫をしている女性。背が低くておっぱいの大きい女が好き。
キャバクラ通いをする、だらしない大人。

星 高空(ほし たかそら)

関連書籍
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    人妻教師が教え子の女子高生にドはまりする話

    著者: 入間人間   イラスト: 猫屋敷 ぷしお

    「そんな優しいとさ、せんせぇのこと好きになっちゃうよっ」

     苺原樹――年齢は二十代後半。既婚者。職業は高校教師。そんな私が、10歳年下の教え子の女子高生に手を出してしまった。
     生徒の名前は戸川凛。私より背が高くて、温和でどこか幼くて、顔がいい。そしてとてもいい子。家庭環境に問題のあった彼女を気にかけているうちに、いつしかベッドの上で唇を重ねていた。
     これは間違いなく裏切りで不倫で犯罪で。身の破滅を招き寄せる要素を、よくもこれだけ集めて。
     ――なぜこんなことになってしまったんだろう。
     淫らで不貞で、でもどこかあたたかい。女教師と女子生徒の恋愛小説。

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