【レビュー】二度と暗殺者にはなりたくない…転生後の活躍にご注目!『かつての暗殺者は来世で違う生き方をする』
【新作ラノベ先読み感想文レビュー】今回は6月28日に刊行される『かつての暗殺者は来世で違う生き方をする』です。みなさんの感想も聞かせてください!
次の人生に今の人生の経験を持っていけるとしたら、どんな経験を積んでおくと良いんだろう?
『かつての暗殺者は来世で違う生き方をする』を読んで真っ先に浮かんだのはそんな問いかけだ。男爵家の令嬢に転生したミラの場合は、凄腕の暗殺者だった前世で身につけた知恵とか戦いの技術とかを使って兵学校に入学を果たした。それも出世が約束された好成績で。そんな人生を歩めるのなら、暗殺者の経験を積んでおくのも悪くないかというと、ちょっと迷うところもある。
誰からも好かれる仕事ではないし、一人前になるまでの訓練だって大変そう。失敗すれば死あるのみ。ミラだって返り討ちにあって死んでしまった訳で、そんな暗殺者になんて二度となりたくないと転生した時に考えたのも当然だ。
でも、それだとそれなりに知られていた暗殺者だった自分の人生を、まるっきり否定してしまうことになってしまう。前世で最後に戦ったアンジェラと兵学校で再会した時に、リベンジしてみたいと思った気持ちもよく分かる。
復活したと知られたら、前世で属していた組織から狙われるかもしれないからと、同郷のアルカやジュードに成績トップを譲って目立たないようにしていたミラが、はた目にはどうにももどかしかった。アンジェラと再会してちょっとずつ本気を出し始めたのは嬉しかった。リスクはあるけど今のミラはひとりじゃない。暗殺者としての能力を正しく使ってどんな活躍を見せてくれるのかが、今は楽しみで仕方がない。
文:タニグチリウイチ
ざっくり言うとこんな作品
・前世が最強の暗殺者だった少女は生まれ変わっても戦闘技術や薬学の知識は超一級。難病を直す薬を作りモンスターもあっさり倒す。
・最強の暗殺者が蘇ったと知られたら前の仲間が追ってくるから実力は抑えていたのに、人助けのために発揮してしまう優しさが良い!
・ミラが前世の最後に戦って敗れた少女騎士のアンジェラが大人になって現れた。リベンジのチャンスと本気を出して正体バレないの?
主要キャラ紹介
前世のミラを殺した少女騎士。ミラの実力には敬意を払っていた。
ミラの幼馴染の少女。明るく素直。ミラの弟子でもあり武術が得意。
ミラの幼馴染の少年。負けず嫌い。ミラの弟子でもあり魔術が得意。
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かつての暗殺者は来世で違う生き方をする 01
著: 丘野優 画: つなかわ
元最強の暗殺者が王国を守る兵士に!?
「暗殺者になんて、生まれたくなかったなぁ……」
最強の暗殺者と謳われたミラは後悔を抱えたまま、ライバルの少女騎士の手で生涯を終えてしまう。
しかし気がつけば、1年後の世界で同じ名前の貴族の娘として転生しており……!?
元暗殺者だとバレないように目立たず過ごしていたミラは、やがて前世と正反対の人を守る生き方に興味を抱いて兵士を目指すことに。
手始めに兵学校の入学試験に挑むが、武術の試験官は前世でミラを倒した少女騎士で!?
因縁の相手と再会したミラは、つい実力を出し過ぎてしまい――!?
常識破りな暗殺少女の人生やり直し転生譚!!
男爵家の令嬢で転生者。前世は《万象》の二つ名を持つ最強暗殺者。