【レビュー】追放された元令嬢は“たくあん”で皆を幸せにする!『たくあん聖女のレシピ集 【たくあん錬成】スキル発覚で役立たずだと追放されましたが神殿食堂で強く生きていきます』
【新作ラノベ先読み感想文レビュー】をお届けします! 今回はカドカワBOOKSから5月10日(金)に刊行される景華先生×すざく先生の新作です。みなさんの感想も聞かせてください!
公爵令嬢として大切に育てられたリゼリアの日常は、十八歳の誕生日に一変する。聖女候補である彼女の持つスキルが【たくあん錬成】と判明したのだ。
あまりに聖女らしくないスキルのせいで、王家からは責められ、王太子からは婚約を破棄され、新たに双子の妹が王太子の婚約者となり、彼女は単身でベジタル王国から追放されてしまう……。
しかし、このたくあんがすごい。 なんと口にした直後に怪我や疲労が癒される聖女の力が込められていたのだ。 しかも美味しい! さらに塩分も控え目というまさに完全食。 隣国フルティアへたどり着いたリゼリアが、この万能のたくあんで周囲の人々の問題を次々に解決していく様子がとっても楽しい。
ただそのまま食べさせるのではなく、たくあんを使った様々な料理が出てくるのも大きな魅力。おにぎりのような定番はもちろん、ピザやスクランブルエッグ、さらにはデザートなど、たくあんを使った多彩な料理はユニークだし、どれも大変美味しそう!
彼女を保護してくれたフルティアの王子クロードは、一見さわやかで軽い調子なイケメンなのだけど、実は幼いころからリゼリアのことがずっと好きだったという超激重な感情の持ち主。あたりかまわずリゼリアを溺愛するけれど、弱みにつけこむことはなく彼女が自分のことを好きになるまで手は出さないという紳士なところが素敵。
たくあんグルメに二人の恋愛関係、さらにはリゼリアの真の力を知って彼女を狙う故郷の陰謀など、読んでいるとお腹が空くけど先も展開も気になってしまう魅力的な一作です!
文:柿崎 憲
ざっくり言うとこんな作品
■たくあんを使ったグルメが満載
■追放された主人公がたくあん錬成で周囲に認められる成り上がり
■隣国の王子に溺愛される
主要キャラ紹介
フルティア王国の第二王子。21歳。
聖魔法を使うことのできる希少な人物。
神殿食堂を切り盛りしている自称食堂の妖精。
フルティア王国の女騎士であり伯爵令嬢。
元ベジタル王国公爵令嬢。
聖女の最有力候補だったが18歳の誕生日によってスキルが「たくあん錬成」だと判明し追放される。