【レビュー】気ままな女の子による無双……ではなく、友達作りファンタジー!『ほんわか魔女を目指していたら、史上最強の杖に選ばれました。なんで!?』
【新作ラノベ先読み感想文レビュー】をお届けします! 今回はファンタジア文庫から4月19日に刊行される下等妙人先生×我美蘭先生の新作です。みんなの感想も聞かせてください!
偉い魔法使いからひとつだけ魔法を授けてやろうと言われたら、今なら断然「攻撃魔法をお菓子に変える魔法」を選ぶ。だって美味しそうだから。
『ほんわか魔女を目指していたら、史上最強の杖に選ばれました』 でレヴィーという少女が振るう魔法。アスレガリア王国にある魔女学園に入学した彼女は、決闘を申し入れてきた学園最強の生徒が繰り出す魔法をすべてお菓子に変えて食べてしまった。なんてデリシャス。真似できるなら真似したい。
もっとも、実はとても難しい魔法らしく、それを平然とやってのけたレヴィーの正体が気になってくる。外国の出身であるにも関わらず、聖杖と呼ばれる王国秘蔵のマジックアイティムを、魔女の末裔として受け継ぐはずだったシトリーという少女から横取りしてしまったことも、正体をいっそう謎めかせる。
当のレヴィーは聖杖で背中をかくわ、魔法の出力を間違えて学校を吹き飛ばすわとおバカなことばかりやって、よそ者で聖杖の簒奪者といったネガティブなイメージを晴らしていく。聖杖を奪われたシトリーすらも、レヴィーの熱意に当てられてだんだんと心を許していく。反発が信頼に変わり友情へと進んでいく流れを味わえる青春ストーリーだ。
同時に、レヴィーの正体とシトリーの血筋が関わるバトルが描かれるハードなファンタジーでもある。読み終わっても先が気になるフリがあって、この先にどんなバトルが繰り広げられ、そしてレヴィーがどんなおバカを見せてくれるのかが楽しみで仕方がない。
文:タニグチリウイチ
ざっくり言うとこんな作品
・よそ者なのに強い力を秘めた聖杖の持ち主に選ばれて、周りから疎まれても気にせず突き進むレヴィーのポジティブぶりが良い!
・魔女の血筋を引いて生まれたシトリーが、自分の運命を受け入れて責任を果たそうとがんばる姿も応援してあげたい!
・学園最強との決闘で、相手の魔法をお菓子に変えてパクパク食べてしまうレヴィーを嫌いになれる人なんていない!
主要キャラ紹介
魔女の末裔で、本来受け継ぐはずの聖杖をレヴィーに横取りされて悩む。
魔女学園の学園長で、面倒を見ているレヴィーの秘密を知っている。
レヴィーに決闘を挑むなかで、彼女が只者ではないと感じる公爵令嬢。
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ほんわか魔女を目指していたら、史上最強の杖に選ばれました。なんで!?
著者: 下等 妙人 イラスト: 我美蘭
ノーテンキ少女は最強の力で学園で無双……せずに友達作り!
攻撃魔法とか一切興味なし。欲しいのは友達! そんなノリで入学した少女レヴィーを最強の聖杖が選んじゃった!?
「えぇっ!? そ、そんなヤバい杖だったの、これ!」
うっかり『史上最強の破壊力(!)』を手に入れてしまったレヴィー。
そうして聖杖に本来選ばれる筈だった女の子からは睨まれ、高飛車な令嬢には決闘を挑まれ――こ、こんな力あたしは要らないのに!
しかし、レヴィーは聖杖を破壊には一切使わず、受けた攻撃をお菓子に変えちゃうわ、凶暴な魔物を仲間にするわ、結果として最強の杖を誰よりも自由に使う魔女となっていき――!?
気ままな女の子による無双……でなく友達作りファンタジー!
史上最低の成績で魔女学園に入学したのに、何故か聖杖に選ばれてしまう。