ファンタジア文庫
『エンジェル・ハウリング』

著者：秋田禎信
イラスト：椎名 優

秋田禎信先生の代表作といえば『魔術士オーフェン』シリーズですが、今回は敢えてこちらを。
ミズー・ビアンカとフリウ・ハリスコー、二人のヒロインの視点で描かれるのは、愛と怪物と心の実在証明。精霊と精霊使いの物語（はい、ご明察の通り『精霊使いの剣舞』は本書に多大な影響を受けております）。幻想的なその世界は美しくも残酷で、読者に無数の問いを投げかけてくる。とにかく一筋縄ではいかない、だからこそ面白い、最高のファンタジー小説。魅力的な世界観、少しハズしたネーミング、緻密なバトルシーン、なによりすべての文章がめちゃくちゃカッコいい！僕は本書を何度も何度も読み返し（プロデビューした後にも何度も！）、一生に一度はこんな文章書いてみたいー、とのたうち回る。もちろん書けるわけがない。凄すぎる。僕の中で常に目標としてあり続ける作品です。