Azano Kohei
あざの耕平
著者:マーガレット・ワイス
著者:トレイシー・ヒックマン
訳者:安田 均
なろう系の作品を始め、ゲーム世界やシステムを元にしたファンタジー小説は、いまでは一大人気ジャンルと言えるでしょう。そしてこの『ドラゴンランス』は、テーブルトークRPG「AD&D」の設定に基づいて描かれた、ゲーム系小説の草分けと言うべき作品です。圧倒的なディテールに、骨太で重厚なストーリー。ハーフエルフの主人公を中心に、ドワーフ、戦士、魔法使い、騎士、ケンダー(盗賊ではない!)等々、魅力的なキャラクターたちがパーティーを組んで冒険を繰り広げ、世界の危機に挑みます。とはいえ、とにかく癖の強い連中ばかりなので、時に喧嘩をしたり、時に仲違いをしたり、よくうんざりし合ったり、度々愛想を尽かしたり。もっとも、欠点が多いからこそ、各キャラクターは実に印象的で、特に魔術師のレイストリン・マジェーレは、いまなおマイフェバレット・ダークヒーローです。このシリーズ、長らく絶版状態にありましたが、ついに待望の電子書籍化を果たしました。古い作品ではありますが、物語の魅力はまったく色あせていません。世界的にも大ヒットしたエピックファンタジーの傑作に、ぜひ触れてみてください。
あざの耕平 (あざの こうへい)
ライトノベル作家。代表作はファンタジア文庫より『Dクラッカーズ』『BLACK BLOOD BROTHERS』『ダン・サリエル』『東京レイヴンズ』など。 |