ファンタジア文庫/ドラゴンマガジン 編集長
小林浩太朗
著者: 橘 公司
イラスト: 森沢晴行
どこまでも荒削りで、どこまでも挑戦的なごった煮感、ゆえに面白い。それが本作『蒼穹のカルマ』です。著者の橘公司の第2シリーズ『デート・ア・ライブ』はおかげさまで、読んだことがあるという人も多い(と思いたい!)人気作となりました。『デート・ア・ライブ』を読んで、「面白かった」と思ったのであれば、ぜひ本作も読んでいただきたい。なぜならば『デート・ア・ライブ』の原点がここにあるからです。作り込まれた世界観はもちろんのこと、精霊に通ずる最強ヒロインと、そのギャップの魅力、突き抜けた一途な想い、そして見事なまでの伏線の回収(しかもこの技術は巻を追うごとにどんどん進化していきます)。「秘密組織のメンバーがみんなで大マジメにギャルゲー?何言っているんだ?……でもこの作者ならば面白く書いてくれるはずだ!」という確信があったからこそ『デート・ア・ライブ』はこの世に生まれたのです。本作をきっかけに、好きな作品を書いた作家のデビュー作にも触れていただける人が増えると嬉しいと思っています。
小林浩太朗 (こばやし こうたろう)
ファンタジア文庫/ドラゴンマガジン 編集長 |