あらすじ紹介
よっす。オレは賊だぜ。盗賊でも山賊でもない、それ未満のザコだ。だが、幸か不幸かオレには特別な能力が宿っている。なんとオレは何度死んでも別の賊の身体になってリスポーンできるのさ! そんな死んでは復活するだけのチンケなオレだが、実は憧れの冒険者になって人様のお役に立ちたいって夢がある。だからオレは時々冒険者の真似をして命がけの人助けをしてみるのさ。誰かの未来が守れるなら俺の命の五つや六つ安いもんだろう。これは百万回死んでも夢を追い続ける名も無きザコの英雄譚だ。
WEB版より全面改稿を施した"死に急ぎ"大河ファンタジー、待望の第1巻!
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みんなからのレビュー
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わたー
21★★★★★面白かった。まさかこんなにポップな導入から、こんなにも重厚な大河が読めるとは思わなかった。時は乱世。賊として生き、死ぬと別の賊に意識が移ることで疑似的な不死の能力を持つ主人公が、後の世に英雄と呼ばれるかもしれない人物や、梟雄と呼ばれるかもしれない人物たちと関わり合いながら生きていくファンタジー。まず、この某絵本を彷彿とさせる語感の良すぎるタイトルが秀逸。なのに中身は容赦なく人の命が擦り減っていくハードな世界というギャップにしてやられた。また主人公は、やり直しの能力こそあれど文字通りのザコで、 続きを読む…
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サキイカスルメ
19毎回違う賊として復活するザコ、グラム。冒険者に憧れる彼が世界をちょっとだけ良くするために奮闘するファンタジー。面白かった。カッコいい!!グラムの生き様が、想いが、その優しさがとてもとてもカッコよかった。こういう物語大好きです。彼にとって命は軽いかもしれないけれど、その命がちゃんと意味のあるものになっていくのが熱くてよかった。名もなき英雄に心からの拍手を!10回で記憶がほぼリセットされるというのも、何回死んでもやり直せる彼の枷として機能していました。 続きを読む…
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alleine05
9面白かった。ザコというだけあって強力な力で無双したりはせずあっさり殺されることもしばしばだけど、何度もリスポーンする間に少しずつまわりを動かしていって、本人の言うようにだれかの未来を作り出していくのがいいね。ただ、クライマックスの展開にややご都合臭い展開があったり、言いまわしが粗くなって描写がわかりづらい部分があったのがちょっと玉にキズか。WEB版と全然時系列が違うようだけど、今後続いていくとしたら書籍版はどういう形で続いていくのだろう。 続きを読む…
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ゆ〜た◢◣
7クライマックスに向かって繋がっていく伏線がお見事!! 名もない賊として復活し呆気なく死んで他の賊として復活する展開に?? 中盤以降にようやく話が繋がっていき一気に面白くなった。冒険者に憧れるその生き様がかっこいい!! 意図せず助けた人達が重要人物で彼の行いが国の明暗を分けることに、でも彼は助けたい人を助けてるだけ。名もなき賊が名もなき英雄になる素晴らしい英雄譚でした!! 続きを読む…
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史
5それはある意味ホラーであり、呪いかもしれない。なんども蘇る名もなき雑魚が世界の運命を動かしてしまう。勇気ある行いの数々は、まさしく名もなき英雄譚としては相応しいのではないでしょうか。第三者からみるとある日を境に宿命が降りてくるという形であるかな。タイトルが賊ではなく雑魚であるから、もしかしたら違うスタートもこれからはあるのかもしれない。末永く続くシリーズになってほしいですね。面白かった! 続きを読む…
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製品情報
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レーベル
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発売日2024/10/30
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定価1430円(本体1300円+税)
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ISBN9784047380103
パートナーのおすすめレビュー(宣伝)
あっさり死んで、でもすぐに蘇る。死ぬことに対しての潔さは切なくもカッコいいッス!
もう何度繰り返したかわからないほど、賊として蘇ってきた主人公ッスけど、どんな時も絶対に消えない思いがあるんス。それは「他者を助けて未来を繋ぐ」という冒険者への憧れ。賊という立場上その資格は得られなくても、彼は冒険者のように振る舞おうとするんス! むやみに人を手にかけず、蘇った先で囚われている人がいれば、こっそり逃がしたりとかッスね。
大した力もない彼は、もちろんあっさり死んでしまうッス。でもすぐに蘇る彼にしてみたら、自分の命なんて安いもの。だから自らの死を織り込み済みで、「知り合いが逃げる時間を稼ぐためだけに敵にやられにいく」なんて選択肢を迷いなく選べるんスよ! その潔さは、切なくもカッコいい漢の散り際ッス!
その最期は、周囲からは奇異にすら見えてしまうッス。だけど私達だけは、物語を読み進めれば読み進めるほど、名もなき賊への思い入れが強くなっていくんスよ!
何度も蘇り積み重ねた行動が、少しずつ世界を変えていきます
命を落とす度にベルゼニックやその手下の集めた賊として蘇る主人公。ですが常に侮られ、一個人として認識されない賊の立場を利用して、リーゼさんやその周囲の人々を助けます。たとえ裏切りがバレて殺されようとも、彼には痛くも痒くもありませんからね。一度の蘇りの間にできることは決して多くはないものの、可能な限り頭脳を使って立ち回った結果、事態は思わぬ方へ向かっていって…。
残念ながら彼の功績がひとりの人間として歴史に残ることはありません…。それは確かにもどかしくもあります。ですが、個人として接することはできなくとも、彼の思いは関わった人々には伝わっていくんです!
危機に見舞われると必ず現れ、体を張って手を差し伸べてくれる奇妙な賊たち。そこに人々は何らかの繋がりを見出さずにはいられないのです。彼らは疑問を残したまま、主人公に深い感謝を寄せる…。主人公の勇気が報われる瞬間には、胸が熱くなりますよ!