あらすじ紹介
ゾンビになっても未来は明るい。人間の時よりも元気な身体になるし、宇宙飛行士(※酸素や新鮮な食料を必要としないゾンビは、宇宙船や月面基地での仕事に適しています)にだってなれる。
ゾンビだって恋をする。バレンタインデーにはクラスの気になるあの子に、ライバルより高級なゴルゴンゾーラ(※ゾンビは新鮮な食品を嫌いますが、発酵食品は人間と同じものを食べられます)をあげたい。
ゾンビ誕生から「歴史完成」に至る、人間とゾンビの宇宙興亡千年史!
※2519年6月20日「新人類憲章」の成立により、長年差別的であるとされてきた「ゾンビ」という呼称は廃止されました。本書では当時の時代背景と本書の資料的意義を考慮し、一部表現をそのまま掲載しています。
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みんなからのレビュー
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のれん
16興亡史というあらすじは非常にしっくりくる。1000年かけて社会の「ゾンビ」という立場が差別対象から羨望対象へと変わり、政治的立ち位置が逆転していく様が断片的に描かれていくところが面白い。 今作では明確な主人公や敵が登場しないが、そういった劇的な天才を描かず、あくまで時代の動きは人の意思とは違う社会の変化によって起きている。しかしながら個々人の意思は受け継がれ、夢や希望を持たせていく。 ポリティカルフィクションを長大な尺で想像したSF。新しい試みでありつつ普遍的な文章で新鮮だった。 続きを読む…
ネタバレあり -
真白優樹
13人間よりも不便だけど人間よりもいい所もある、そんなゾンビという存在に人間が突然変異するようになった世界で、千年の歴史を描いた物語。―――生まれ落ちて、いつか滅ぶ。この輪廻の中で。 千年の歴史のそれぞれの一瞬、を短編形式で切り取っていくお話であり、ゾンビという存在としてそれなりに生きていた人達と、世界の在り方が変わって少しずつ終末に向かっていく世界を描いた、深めな面白さに溢れている作品である。世界は変わり、いつか滅びる。だけどその最後の一瞬まででも、きっと世界は変わらない。 うん、とても面白かった。 続きを読む…
ネタバレあり -
にぃと
10タイトル&表紙買い。これは自我とか感情とかが残るタイプのゾンビ。 感染症による新人類(ゾンビ)の割合が増え、彼らが社会的に認められその権利が確立されていく地球編だけでなく、舞台が月面基地、そして火星まで進んだのは予想外。ゾンビならではのメリットもある一方、数を減らす旧人類と子を成せない新人類という重い背景設定もあり、読み始めた頃からするとだいぶハードな環境になっていったのは予想外。時系列が入り混じりつつ、短編形式で一部リンクしながら進んでいくのが面白い。 続きを読む…
ネタバレあり -
niz001
6これは好みのタイプの作品、のはずなんだが初っ端の話(先にゾンビ化した父親が家庭内で敬遠され、馬鹿にしていた娘がゾンビ化したら仕返しに頭踏む)がもんにょりしたので微妙な気分。後の歴史を暗喩してるのかもしれんけど。挿絵はほぼ無い。 続きを読む…
ネタバレあり -
陽溜まり@小説等
385-90点 その時代なら、見た目がゾンビロボットになっていそうなものだけれども。 感想としては、振り返るとやはり地球篇が一番しっくり来た。この手の問題の解消は、長い時でもなく、誰か個人の誠意でもなく、見る数が増えてきてなぁなぁになれていくことで結果的に成されるものなのではないかなと考えてみたり。久しぶりに満足した。 続きを読む…
ネタバレあり
製品情報
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レーベル
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発売日2024/05/10
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定価770円(本体700円+税)
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ISBN9784049151398