「……まいったなぁ……」

 各務かがみけいった体を冷ますように窓際でグッタリしていた。

 別に長風呂をし過ぎたわけではなく。

 考えに考え、長考を重ねて一人でさくらんし、自己完結に至った結果による知恵熱のようなものである。

 視界に納まる風景は抜けるような青い空にぽつぽつと浮かぶ白い雲。ほぼ快晴である。

 その下へ目を向ければ、延々と連なる山脈にそのふもとから一面に広がる大地を覆う森林。

 そして視線を徐々に下げていくと、目前に十数棟立ち並ぶ木造の家屋。

 自分の生活していた二二世紀という時代からは想定できない、長閑のどかと言えばいいのか寂れていると言ってしまっては失礼であるような光景。

 そんな光景の一部として存在している自分にも、つい乾いた笑いをこぼす。

 彼女が自らの置かれた状況あくに努め、疲れ果てた事の発端はつい先程、朝日の差し込む質素な部屋へとさかのぼる。

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